あたしゃこんなにきれいだけども 男にゃ縁がない
「青い空の心(No me?More no!)」/1980年
爽やかなサイダーのCM曲なのに、エンディングでモゾモゾとつぶやかれる愚痴がかわいい。
細い肩にシャンペン 濡れた唇にワイン
「ふたりだけのパーティ 〜Tiny Bubbles(type-A)」/1980年
シャンペンの小さな泡になぞらえてグラスの中で2人だけで乾杯。
ふたりともに夢から醒めた時には90 years old(寄る年波)
「タバコ・ロードにセクシーばあちゃん」/1980年
共に白髪が生えるまで、どころか気づいたら90歳。でも今なお恋して燃えている。
人も恨やむよな仲が いつも自慢のふたりだった
「私はピアノ」/1980年
失恋のつらい気持ちを表現した曲。なのだけど、実は誰かが弾いてくれるのを待っているピアノの孤独を歌った曲かも。
ふた言目には To You
「TO YOU」/1980年
「君に。君へ。君のために」が口癖の人。心からそう思っていても言葉だけで繰り返しちゃ信じてもらえないよ、そんな教訓の歌かも。
誰かと恋に落ちながら 思い出すのはあの人だけ
「松田の子守唄」/1980年
タイトル通り松田弘がボーカル。ほかの人を好きになればなるほどたった一人のあの人を思い出す、誰もが一度は経験する恋の不条理。
I'm gonna hurt you like you done me
「Tiny Bubbles(type-B)」/1980年
全編英語詞曲。小さな泡のような些細なことでも互いに傷つけ合うことになる。でもそれが恋の醍醐味。
忘れるわけもなくT.V.Show その気もないのに笑う事ばかりじゃ
「働けロック・バンド(Workin'for T.V.)」/1980年
テレビに出ずっぱりだった当時の本音を吐露。笑いたくないのに笑わされる虚構の世界へのアイロニー。
お父つぁんもお母さんもお出かけ二人きりなの
「いなせなロコモーション」/1980年
両親のいない日を狙っておうちデート。オールディーズのシングルをかけまくりながらドキドキ。
夢は夢 通り過ぎてく
「LOVE SICK CHICKEN」/1980年
“夢”が3回も出てくるが最後のこの「所詮」的な空虚さが切ない。
思い思いの気分でやれたら ジャズなどに等しい
「ジャズマン(JAZZ MAN)」/1980年
口説き道具のように見えて実は恋愛そのもの。桑田によるそんな独自のジャズ解釈論のような歌。
ひょうたんからこま待ってんね tomorrow
「ひょうたんから こま」/1980年
関口和之の作詞・作曲・ボーカル曲。思いがけないことを期待するちょっと消極的な気持ちが綴られる。
俺を溶ろかせる女でいてよ
「わすれじのレイド・バック」/1980年
終わりが近づきつつある関係に向けた最後の、最高の殺し文句。俺を溶ろかせるには「ささやくだけでいい」のだ。
心ときめいた日がこれまでないと 言うよな女のどこに魅力を感じたり
「FIVE ROCK SHOW」/1980年
我を忘れて燃えてこそ恋。これこそサザンの信条。
女誰しも男ほど弱かないわ
「シャ・ラ・ラ」/1980年
男女の掛け合いがスイートな曲だが、原坊が歌うパートが強気なのが痛快。
けったいな世間になってもうて いきり立つのも なえちゃう
「ごめんねチャーリー」/1980年
レイ・チャールズをイメージしたと思われる歌詞。僕も情けなくて自分でなぐさめちゃうよ、と弱音もチラリ。
放送禁止などの仕打ちも 軽やかなるままに
「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」/1981年
スターの苦悩を歌ったナンバー。当時見舞われた放送禁止騒動さえも歌詞の題材に。
吐息のあい間に雨の音がする
「朝方ムーンライト」/1981年
見つめ合ってささやき合っている時は音楽なんて要らない、雨音だけが最高のBGMになる。ロマンティックな朝の風景。
もっとそばにおいでませと 誘う態度もいきなこと
「Hello My Love」/1981年
見つめ合って髪に Touch 両手で君の背に Scratch
「My Foreplay Music」/1981年
ベッドインまでの手順、前戯をリアルに表現。
2月26日には ささやかな二人の絆
「素顔で踊らせて」/1981年
日付さえもリズミカルに歌い込む。そして2月26日は桑田の誕生日。
辻堂あたりで気取ってようじゃん
「夜風のオン・ザ・ビーチ」/1981年
どこかで抱かれることだけ 夢見てる
「恋の女のストーリー」/1981年
我々も我も君達もパープー・・・・・・
「我らパープー仲間」/1981年
I believe, I believe, I believe in Mr. Yagi
「ラッパとおじさん(Dear M・Y's Boogie)」/1981年
夢で見ていたものより見事 ふくよかな 腰のあたりなど
「Let's Take a Chance」/1981年
どんな態度が君にいいのか分からないよ
「ステレオ太陽族」/1981年
Why am I so shy あなたにわかるなら
「ムクが泣く」/1981年
関口和之らしい柔らかな詞曲。僕がシャイな理由、あなたならわかるよね?と、逆に信じているかのよう。
彼女が髪を指で分けただけ それがシビれるしぐさ
「栞 (しおり)のテーマ」/1981年
大胆に髪をかき上げるのではなく、指で小さく分けるしぐさの方がグッとくる。何事もさりげなくが大切。
エボシ岩が遠くに見える 涙あふれてかすんでる
「チャコの海岸物語」/1982年
昭和歌謡へのオマージュを大胆に取り入れて大ヒット。「エボシ岩」を織り込むことでぐっと景色がサザン色に。