1.「見上げてごらん夜の星を」坂本九
坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」は、いずみたくさんがミュージカルのために作った曲。昼は働く定時制の高校生の物語で。言葉とメロディが一体になっていて覚えやすい。
1コーラスが小学唱歌的な一部形式で、1回だけマイナーへ転調するパートへ展開する。いずみたくさんや、「上を向いて歩こう」の中村八大さんは、洋楽ポップスを日本の歌に昇華させた方々。幼心に確実に刷り込まれました。
2.「恋は紅いバラ」加山雄三
「曲を書く」という意識にさせられたのが加山雄三さん。高校1年の時、テレビで加山さんがバンド=ランチャーズを率いて自作の曲を歌っているのを観たんです。電流が走りました。「こんな曲を自分で作って歌う人が日本にいるんだ!」と。
発売日、レコード屋に駆け込んで買ったのが「恋は紅いバラ」。ちなみにそれは加山さんの作曲家・弾厚作としてのデビュー盤だった。
それからは僕も曲を作るようになって。教室でみんなに聴かせたら周りは大騒ぎ!(笑)詞も自分で書いたんです、恋の詞を。それを食卓に置きっぱなしにして、家族に見られて恥ずかしかった(笑)。
3.「或る日突然」トワ・エ・モワ
トワ・エ・モワの「或る日突然」は歌謡曲とはちょっと違う音楽的な新しさを感じた曲。メジャーセブンスやマイナーセブンスを多用した、おしゃれな響きを取り入れる作曲家が出てきた。
その筆頭が村井邦彦さん。当時僕は大学生。北山修さんのラジオ番組に曲を投稿したりして、作曲家への道を少しずつ歩み始めた頃でした。