大神崇
僕が本格的にサッカー観戦を楽しむようになったのは1993年のJリーグ開幕以降です。ラ・リーガだとスペインのスタジアム〈カンプ・ノウ〉でバルサの試合を観たのが印象に残っています。2004年のことです。今でもPCで作業しながら観戦することもあるのですが、ラ・リーガの状況はだいぶ変わりましたよね。
菅原慎吾
数年前まではバルサにメッシ、レアルにはクリスティアーノ・ロナウドと、世界的なスター選手が揃い踏みでした。でも、ラ・リーガは変わらず面白いですよ。まず、スペイン全体が再び強い国になっています。昨年はパリ五輪とヨーロッパ王者を決める大会EUROで、共に優勝。26年のW杯に向けてもますます盛り上がっていくはずです。
大神
そもそも、どうしてラ・リーガを熱心に観るようになったのですか?
菅原
きっかけは1992年のバルセロナ五輪でした。サッカーの決勝が行われた〈カンプ・ノウ〉のピッチがとても綺麗だったことをよく覚えています。また、その試合である選手が「メトロノーム」と呼ばれていて。「正確なパスを出す」という意味合いだったのですが、こんな表現をするのかと興味を持ちました。後にBSでラ・リーガが放送されるようになり、2001年からは仕事としても追い続けています。
大神
すると、ラ・リーガ歴は30年超!この間にはメディアの変化もあってより観戦を楽しみやすくなりましたよね。配信もさることながら、SNSで選手の様子もわかる。〈H&M〉とコラボアイテムを作ったレアル・ベティス所属のベジェリンのインスタ(@hectorbellerin)は、一見サッカー選手とは思えないほど洒落ていたり。
菅原
ピッチの上では、同じくベティス所属の選手、イスコに注目しています。ハードワークが求められる現代サッカーのなかで、トリッキーで魅力的なプレーを見せてくれる選手の一人。現地では彼のゴールを観ることもできました。ダービーマッチだったこともあり、スタジアムは大揺れで。あまりの震動に死を意識しました(笑)。
大神
図らずもベティスの話になりましたが、ラ・リーガのクラブと言えばバルサとレアルは外せませんよね。
菅原
ここ50シーズンのうちこの2チームが約40回優勝しています。選手らピッチ側、支えるオフィス、そして都市の歴史文化の点でも圧倒的な存在です。だからラ・リーガのゲームも、常にこの2チームへの下剋上だと思えば観やすいかもしれません。
大神
確かに、わくわくしながら楽しめますね。
菅原
かつて担当していたサッカー番組『Foot!』のプロデューサーで先輩の田口賢司さんは「フットボールは快楽だ」とおっしゃってました。目の前のワンプレーに歓喜したり嘆いたり、頭ではなく心に訴えてくるものをこそ味わってほしい。二強を抱えるサッカー大国のリーグには、その熱量が詰まっています。

今、ラ・リーガを観るべき3つの理由
1.当代最強のサッカーをする国のリーグだから

2.ピッチ内外で華やかな活躍をする選手がいるから

3.毎週リーグの動向を教えてくれるプログラムがあるから

