東京・秋川の雄大な渓谷に佇むキャンプ場
都心から、車で圏央道を通り1時間強で到着できるキャンプ場〈do-mo forest 自然人村（しぜんじんむら）〉。JR武蔵五日市駅からも車で5分。
東京都内でありながら、雄大な渓谷で自然を楽しむことができる。先代から50年以上続くこのキャンプ場で、今年9月にオープンしたサウナが人気を集めている。東京では数少ないプライベートサウナであり、天然の滝壺体験もできるのだ。
4〜5名で宿泊ができるエアコン付きのタイニーハウス。 
天然の滝壺で水風呂を堪能。
「私たちもキャンプ場を運営しているので、どうやったら東京の森をより五感で体感してもらえるか、考えていました。もともとサウナ好きということもあり、この相性の良さを活かしたいと思ったんです」
そう語るのは、自然人村を運営するdo-moの代表である高水健さん。水着着用で男女一緒に入ることもでき、グループサウナの時間を楽しめるのも魅力のひとつとのこと。12月以降は渓流や滝壺の水温がシングル（一桁台）になることも、サウナ好きにとっては見逃せないポイントだろう。渓谷の川辺で外気浴をしながら、焚き火を囲んでととのう。まさに自然と溶け合うような体験ができるのだ。
多摩産のヒノキサウナ、あじさい茶のロウリュウ
深沢が位置する旧五日市町は、もともと秋川渓谷に流れる複数の渓流が合流する地域。古くは江戸時代初期から「炭のまち」として発展してきた歴史がある。そのストーリーを受け継いで完成したのが、炭焼きをモチーフにした漆黒の縦型バレルサウナなのだ。
多摩産のヒノキを使ったサウナということもあり、じっくり香りを楽しみたいならおすすめの温度は75度。もちろん、温度は好みに合わせてリクエストもできる。
さらに香りを楽しみたいのは、あじさい茶。プライベートサウナにあじさい茶のロウリュウとキューゲルがセットでついてくる。東京・あきる野市にある南沢あじさい山で摘んだ『アマチャ』という種類のあじさいの葉を、独自製法でお茶にした濃厚なあじさい茶で、華やかさと香ばしさが特徴。
地元あきる野市のあじさいを使ったロウリュウ。 
自由にロウリュウを楽しむことができる。
目を閉じ、耳をすませば森を抜ける風の音や虫の声に包まれる。特に、雨の日には雨が周りの音をかき消すため、ただひたすらに雨の音に没入できる。
サウナ後には、火照った体に嬉しいあじさい茶ミルクアイスや、よく冷やした、少し甘酸っぱいあじさい茶、ポカリスエットなどのドリンクも。文字通り、東京の自然を五感で堪能するためのこだわりが随所に感じられる。
炭を使ったパニーニや薬膳カレーを食べてさらにデトックス
自然人村という名の通り、施設内を清流秋川の支流、子どもでも遊べる深さの三内川が縫うように流れる。キャンプスペース、BBQスペースに加え、2拠点生活やワーケーションの拠点としても活用できる電源完備の快適なバレル型のタイニーハウスやWi-Fiのあるワーケーションスペース、トイレやシャワー室もあり、BBQプランは手ぶらでも楽しめる。
キャンプはもちろん、ワーケーション棟やタイニーハウスを利用すれば、リモートワークで仕事をしながら疲れたらサウナに入ったり、裸足で森の中で大地を感じたり。渓流をただ眺めるだけの時間を過ごすのもよい。夜は星空の下で焚き火を囲むのもおすすめだ。
併設されているコワーキングスペース。 
テントを張ってキャンプとサウナをセットで楽しむのもおすすめ。
BBQなどでキャンプらしい食事を楽しむだけでなく、カフェ〈do-mo factory blan.co〉からデリバリーも可能。地元のオーガニック食材をふんだんに使った薬膳カレーは、高麗人参やナツメなどが使われており、サウナでととのった体をさらに内側からととのえられる。自家製のパニーニには食用の炭を練り込むことで、デトックス効果も期待できる。
地元のオーガニック食材を使った薬膳カレー。 
食用の炭を使ったパニーニ。
日々の喧騒から離れ、癒やされて帰ってほしい
自然人村を運営する代表・高水さんにとって、この秋川の地は地元であり思い入れのある場所でもある。そんな地元の魅力を自分なりに表現してもっと多くの人に伝えたいと、社会人2年目で都内の会社を辞め地元に戻った。
「秋川の観光資源を見える化して、体感してもらうことを大事にしています」
自然人村の由来のひとつは「ありのまま」。日々の喧騒から一度離れ、本来の自分に還り、癒やされて帰ってほしいという願いがこもっているそうだ。
都内だからこそ気軽に行ける、東京の森を満喫するサウナ。90分制の貸し切りのため、予約してから足を運びたい。
