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暮らす

ソウル市民の日常も特別も、すべて漢江(ハンガン)が包み込んでくれる

水辺に都市は発展する。ここ韓国・ソウルには漢江(ハンガン)がある。朝昼晩とこの川沿いに集まる人も多く、食事も運動も恋愛も喧嘩も通勤通学も、そのすべてを見守ってきた。留学生Eriがローカルとして愛してやまないハンガンの楽しみ方。

photo&text: Eri Masuda

韓国の首都ソウルを横断する巨大な川、漢江(ハンガン)。日本人の私ですらハンガンを見るとソウルにいることを実感。しかし、韓国の人にとっても特別らしい。京都の人にとっての鴨川、パリの人にとってのセーヌ川みたいなものか。ハンガンビューの家は成功の証しとも言われるほど。日常の癒やしから栄華までを象徴する場所である。

漢江と盤浦大橋の眺め
左側に盤浦大橋から流れ出る噴水が。市民が思い思いのスタイルでくつろぐ。

ご飯だってここで食べちゃう

川沿いに幾つもある公園で天気の良い日はレジャーシートを敷いてピクニックを楽しむ人が多く、どこかで食べ物を買い出ししてから遊びに来る人、ペダル(出前)を取ったりと様々。ハンガンにあるコンビニで袋麵を購入すると、紙製の器を渡されるのでラーメン製造機を使ってセルフ調理。夕陽を見ながらラーメンやキンパ(酢飯ではない太巻き)を食せば、もう立派な韓国ローカルだ。

コンビニ脇に設置されたラーメン茹で機
コンビニ脇に設置されているラーメン製造機。みんなセルフで作ります。

アフター5に運動を楽しむ人も多い

ジャンクな食べ物をこよなく愛する人がいる半面、健康的な生活習慣を維持するためにハンガンに通う人も少なくない。川沿いには歩行者用&ランニング用道路、自転車専用道路まであり、平日の朝晩はここでランニングやロードバイクで楽しむ人も多い。ドラマの主人公が悩みを抱えているときや気分転換をするとき、よくランニングするシーンが出てくる。ところどころ、スポーツジムの器具が設置され、50代かそれ以上のアッパー層が積極的に運動している。バスケットコートも複数あり、平日のアフター5にもバスケを楽しむ多くの人の姿が見られる。健康的な過ごし方が素敵だ。

夕焼けの漢江(ハンガン)ビュー
ソウルのハンガンを見ていると、私個人はパリのセーヌ川を思い出す。首都を横断するように流れる大きな川の北南には、区域ごとに異なる雰囲気の街が存在し、そこに住む人々の憩いの場として日常を見守ってくれる。

川沿いの公園から梨泰院へ

ハンガン沿いにはたくさんの公園があるが、私の一押しはなんと言っても盤浦(パンポ)漢江公園。地下鉄やバス停からもほど近く、南山(ナムサン)ソウルタワーと盤浦大橋を同時に楽しむことができる。盤浦大橋こそドラマで主人公がランニングする場面で出てくる橋であり、歩道、自転車専用道路もしっかりあって、散歩するのに抜群の橋である。季節や時間によるが、橋から色とりどりの鮮やかな噴水が出るので、清涼感を感じたい人にも最適。

盤浦漢江公園から橋を渡り、さらに15分ほど北上すれば梨泰院(イテウォン)なので、そのまま人気のカフェや街並みを楽しむのもいい。ドラマ“梨泰院クラス”は実際に梨泰院で撮影されていたので、そのままドラマ撮影地を回るのもおすすめです。異国情緒あふれる街なので、散歩するだけでも楽しめるはず。