不思議なバランスを保ちながら、静かに佇む彫刻
嘉手納重広の《ola》《oja》
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2024年/栗、ウォールナット、カリン(oja)、磁石/各27×13×10㎝
嘉手納重広の作品には緊張感が漂っています。私は彫刻の天才という意味で“日本のブランクーシ”だと思っているのですが、何かから影響を受けたり誰かに憧れを抱いたりしたことはなく、自身から湧き立つもので創作している。ピュアで独創的で、新しさを感じます。触れるとわかるのですが、各パーツを接着しているのは磁石。色や形違いのオブジェをたくさん削り出して、最終的に想像を超えたバランスを見つけたところで作品を完成させているんです。素材選びも素晴らしく、丈夫に作られている。木に対する愛を感じます。(ART Is. TOKYO GALLERY/ふくしまアヤ)