石田真澄が語る、新しい選択肢としての芋焼酎
お酒は家でひとりでというより、友人と飲むことが多いですね。食事と組み合わせて楽しむのが好きで、その時々でいろいろなお酒を選んでいます。ただ、焼酎に関しては、実はこれまであまり飲んだことがありませんでした。
〈赤兎馬〉を飲むのは初めてということもあり、まずはストレートで少しだけ試してみました。焼酎は匂いやクセが強いイメージがあったのですが、味も香りも爽やかで、そのままでもおいしく飲めますね。しっかりとした飲みごたえもあるのに、とても飲みやすい印象でした。
いつも食事をしながらごくごくと量を飲みたいタイプなので、その後はソーダ割りに。春巻きと一緒にいただいたのですが、すっきりとしていて食事にもよく合うのに驚きました。〈赤兎馬〉というネーミングや、ラベルのイメージから想像していた強さとはまた違う、味のギャップが楽しめますね。
〈赤兎馬〉は、ストレートやロックにしてじっくりお酒と向き合うこともできるし、ソーダで割って食事と合わせてもお互いを邪魔しない、とっても万能なお酒。これまで焼酎のなかでも特に芋焼酎はあまり得意な方ではなかったのですが、今回、〈赤兎馬〉の世界観を写真で表現するにあたって飲んでみたら、香り豊かでフルーティで、焼酎のイメージがガラッと変わりました。
日本酒だと、一緒にいる人が別のものを飲む場合に、お猪口で出てきたりして気を使わせてしまい、ひとりで頼みづらいところがありますが、焼酎のソーダ割りなら周りのシチュエーションを考えずにすむのもいいですね。ジンも同じような楽しみ方ができそうですが、焼酎の方が食事には合うかな。
いままで和食にはビールや日本酒を選んでいましたが、今後は〈赤兎馬〉が新しい選択肢に加わりそうです。いろいろな料理と合わせて試してみたいですね。
飲む人の痕跡を写真に残す
いつもは、ポートレートや風景を撮ることが多いのですが、たまに静物も撮っていて。そんなときは、2パターンの考え方をしているんです。
ひとつは、持ち主を想像して、その人が置くであろう場所に置いて撮ること。ジュエリーなら、洗面所で手を洗う前にすっと外して置いたところ。バッグもテーブルの上より、座る前に椅子の横にかけてみたり。使う人の痕跡を残しながら撮るのが好きなんですよね。
もう1パターンはそれと真逆で、あえてあり得ないようなシチュエーションで撮ってみること。例えば、グラスの中にリングを入れて、非現実的な世界観をつくる。普段はどちらかに振り切ることを大切にしています。
今回の撮影は同じ静物のなかでも、口にして楽しむもの。いままで食事やお酒などを撮る機会が少なかったので新鮮でした。まずは〈赤兎馬〉のパッケージのデザインにインパクトがあったので、1枚目の写真はそれを生かしてシャープに。強さを表現できるようにあえてラベルに寄ってみました。
その後で実際に口にしてみて、ラベルの力強さとは違って、日常的に飲める印象を得たので、2枚目は普段の生活のなかに〈赤兎馬〉が溶け込んでいる風景に。シチュエーションとして、自分ならどこに置くかなと想像して出てきたのが、キッチンやグラスの横だったんです。あるべき場所にある姿が撮れれば、日常の延長線上で飲める想像が誰にでもしやすい。キッチンで、フルーティな〈赤兎馬〉によく合うフルーツをつまみながら、横には飲みかけのグラスを置きました。
わくわくする実体験を作品に
ものを撮影するとき、実際に使ったり体験したりすることが、写真のイメージを変えることがあります。なかでも味や香りは最も想像がつかないものなので、飲んで味わってみることで、さらに写真の構想が膨らみますね。
〈赤兎馬〉を飲んでみて、もしパッケージ通りのガツンとした印象のお酒であれば、日常的に飲めることを想像するような、キッチンにさりげなく置いてある写真ではなく、非日常的な場でカッコいいビジュアルをつくることにシフトしていたかもしれません。最初はパッケージの見た目で、次にそれを味わってから、という2段階で考えるきっかけがある撮影は楽しかったです。
今回、見た目のインパクトと、飲んでみてのギャップという2つの段階で作品を制作しましたが、さらにお酒がつくられている生産地に行って、原料となるきれいな水に触れてから撮るというのも面白そうですね。ぜひ挑戦してみたいです。