長く書き続けるために決めたこと
思春期の揺れ動く気持ちや孤独を描いたミステリ『かがみの孤城』や、直木賞受賞作『鍵のない夢を見る』などで知られる小説家の辻村深月さん。長編を執筆する際は、明確なゴールが見えないまま勢いで書くことがほとんどだというが、どれほどの集中力で目の前の執筆と向き合っていることか。気持ちや体をすこやかに保つために気を付けているマイルールは?
「ここ数年、続けていることがいくつかあります」と辻村さん。その一つは、朝型の生活を心がけ、睡眠を十分にとること。「絶対に徹夜はしません。文章や構成で悩んでいる部分があっても、締め切りの時間が来たら編集者に送る。で、翌朝までに考えが変わったら、あとで修正を送り直す。いったん手放すことで客観視もできるし、仕事のリズムにメリハリがつくようになりました」
無理にでもゆっくり過ごす時間を持つことも意識。「どんなに忙しくても、見たい個展や美術展にはなるべく行く。時には“私、今、そんなに遠くまで出かける場合じゃないのでは?”と思う日も。それでも、自分が住む町とは違う空気に触れ、美術館の庭園などを歩く時間を持つことで、視野がひらけたり仕事のモチベーションが上がったりする。そう気がついたんです。
そしてもう一つ、ルーティンの一環として大切にしているのは、大好きな朝のコーヒーの時間。「執筆を始める時に、必ず最初の一杯を飲むと決めています。一日飲み続けると、おいしさのありがたみが薄れてしまうから……最初の一杯を味わいながら、ゆっくり頭を覚醒させます。こういう気持ちをほぐす“自分流のコツ”がいくつもあって、それらを日々の生活に取り入れながら、書くことと向き合っています」
視界がぶれることなく涙を流せる
辻村さんが初めてコンタクトレンズに触れたのは高校生の時。大人になってからは主に人と会う日につけていたが、最近は一人で美術館や映画館へ出かける時も使うことが多くなった。
「3年ほど前、『この夏の星を見る』という小説の取材で、よく天体観測をしていたんです。眼鏡で星を見ると夜、温度差でレンズが曇ってしまったり、1枚フィルターがかかったような感覚でしたが、コンタクトレンズだと自分の目でクリアに星を探せることがうれしくて。映画を観に行く時もそう。私はとても涙もろいのですが、涙を拭いても視界がぶれずに画面をずっと観続けられます」
そんな辻村さんに体験してもらったのが、シリコーンハイドロゲル素材の《シード AirGrade 1day UV W-Moisture》。角膜の健康に必要な酸素を多く届けながら、瞳の潤いをしっかりキープしてくれるコンタクトレンズだ。
「以前、眼科でドライアイぎみだと言われてから、酸素透過率が高くて質のいいものを選ぶように意識していたので頼もしいなって。実際に使ってみたら、コンタクトレンズをしていることを忘れるほど、つけ心地が軽い点も気に入りました。朝から夜まで使い続けても乾燥をあまり感じず、ストレスなく過ごせましたね」(※製品の効果などを保証するものではありません。)
「あと、大理石のような高級感があるパッケージにも惹かれました。洗面台の棚など視界に入る場所に置くことが多いので、このデザインはうれしいですね。数日間使ってみて、軽さや心地よさが印象的だったのですが、きっとパッケージデザインによる気持ちの高まりや新しいものを使う喜びも含めて、快適さを感じたのだと思います」
思えばずっと助けられてきた
朝、顔を洗ってコンタクトレンズをつけると仕事モードになるという辻村さん。小説を書き上げるまでには目を使う場面が多くあるため、自宅での執筆中もなるべく瞳の乾きを感じにくいコンタクトレンズを選んでいる。
「筆が進んでのめりこんでいる時は、ごはんを食べるのも忘れて机に向かってしまいます。そして物語をいったん書き終えたら、文章を一から読み直す。数日間かけて推敲するんですが、作品によっては原稿用紙1000枚を超えるものも。パソコンの画面上で細かく文字を追っていくので、目も頭もものすごく疲れます。けれど、やればやるだけ良くなるという手ごたえと、これから本になるんだという楽しさがある。終わった後は抜け殻みたいになりますが、小説家としてとても幸せな時間です。
仕事の場面ではもちろんですが、よく考えたら私は、ほかの場面でもずっとコンタクトレンズに助けてもらってきたんですね。高校生の頃、初めて眼鏡から替えた時には、新しい自分になれた気がして本当にうれしかった。
そんな私の本を読んでくれる読者には、10代の多感な年頃の子も多くて、中にはサイン会に何度も足を運んでくれる子もいます。そうすると、最初はセーラー服に眼鏡姿だったのが、高校生になったらコンタクトレンズをして、ちょっと印象が変わっていたりして……。“ああ、自分でいろんなことを選択していく年頃になったんだな”と、自分自身のあの頃を思い出して、温かい気持ちになります」