貴重な火入れの様子
フィンランド人が愛するサウナ
〈ラヤポルティサウナ〉はタンペレ市のピスパラ地区に1906年に開業した、フィンランド現存最古の公衆サウナ。毎日のようにローカルの人たちが訪れ、楽しそうにお喋りしている、街のコミュニティの重要な施設だ。どこか日本の銭湯に似ているともいえる懐かしさが感じられるのも魅力のひとつ。
サウナ好きであれば、フィンランドにサウナ旅をする際に、必ず行きたい場所リストに入れる施設だろう。〈ラヤポルティサウナ〉に行くためだけに、わざわざヘルシンキ市から2時間かけてタンペレ市を訪問するサウナーも多い。
今回、そんな歴史的な〈ラヤポルティサウナ〉の取材の許可がおりた。それも特別に、普段は公開していない火入れのタイミングから撮影できるというのだ。普段はお目にかかれない〈ラヤポルティサウナ〉の隅から隅まで収めた写真の数々をぜひ眺めて楽しんでもらいたい。
住宅街のなかにある老舗サウナ
タンペレ駅からタクシーで10分ほどの場所に〈ラヤポルティサウナ〉は位置している。 
入って右側の建物がサウナエリア。 
扉を開けると、チケット売り場のような小さな番台がある。ここで入浴料を支払う。 
声をかけると、スタッフがひょっこり顔をのぞかせる。貴重品を預けたり、飲み物も買える。 
開けっぴろげなロッカールーム。携帯禁止なので電源は必ずオフに。 
ロッカールーム内に置かれたメッセージノート。日本からのお客も多い。 
サウナ室に飲み物は持ち込めない。水分補給は、外気浴スペースかロッカールームで。
老舗サウナの火入れ作業を写真で解説！
3㎥もある石造りのサウナストーブ。仕切り壁が設けられ、男女が分けられる。 
火入れ作業がはじまった。熱いため、パンツ一丁で作業する。 
サウナの心臓部。長さ1mの薪木を何本も入れて、数時間かけて焚きあげていく。 
ストーブのなかには、重さ1トン以上ものサウナストーンが積み上げられている。これが真っ赤になるまで熱していく。 
ストーブが温まったら、燃えがらを取り除く。 
薪を燃やしていた部分をしっかり掃除し、灰を取り除いたあとの様子。 
マスクを着けて一度ロウリュし、有毒な煙を吐き出す。この一連の作業を「ハカロウリュ」と呼ぶ。 
有毒な煙が出ていくところ。これで準備完了だ。 
バックルームの様子。掃除用具などサウナに必要なものが詰まっていた。
サウナがオープン！
サウナがオープン。まずは、ロッカールームでご挨拶。荷物はベンチ上に吊るす。貴重品は受付に預けること。 
浴室の様子。下段は洗体場。上段がサウナだ。 
水風呂やシャワーはなく、ここの水と桶で入浴前に体を洗ったり、入浴後に汗をカットしたりする。思ったよりも冷たく感じる。 
バケツに浸されたヴィヒタ。施設内全体に白樺の良い香りが漂う。 
2階に位置するサウナ室の様子。 
サウナ室から見たロッカールーム方向。より大量の蒸気をサウナ室内に出したい時に棒を引っ張り蓋を開ける。 
オープンと同時に、サウナ室はあっという間にぎゅうぎゅう。みんなで楽しくお喋り。 
互いに体をこすり合ったり、サウナスキンシップを楽しんだり。思い思いに楽しむ。 
ヴィヒタで体を叩いて刺激する。セルフで行うのがフィンランド流。 
次々とロウリュされるため、サウナ室はかなりの熱さに。
ベンチやカフェで外気浴
サウナを楽しんだから、外に出て外気浴。こちらは男女共有なので、タオルを巻いていくこと。 
テラス席も用意されている。天気の良い日は気持ちが良い。アルコールが飲めるのは、テラス席かカフェスペース内だけなのでご注意を。 
ゲートをくぐって左側にある可愛らしいカフェの様子。地元産のクラフトビールもずらりと並ぶ。 
カフェスペースでは、ラヤポルティサウナ限定グッズも手に入る。
