昨年2024年12月16日から〈Ginza Sony Park〉で開催された、「sakamotocommon」の初号プロジェクト「sakamotocommon GINZA」。クラウドファンディングには1,608人もの支援者が参加し、会期の10日間には2,928人が展示を訪れ大きな反響を呼んだ。
開催期間中、多くの人の目を引いたのが、数寄屋橋交差点に向けて掲げられた「TREES FOR SAKAMOTO」のステートメント展示だ。約270㎡の巨大タープが銀座の街に掲げられ、環境問題にも取り組んできた坂本のメッセージを印象的に伝えていた。
この約270㎡にもなる巨大なタープ。本来ならば役目を終えてそのまま廃棄されることになるが、今回「sakamotocommon」の取り組みでアップサイクルされ、バッグとして生まれ変わることになった。このバッグは「sakamotocommon」のクラウドファンディングを通して購入をすることができる。
タープがバッグとして姿を変え、坂本龍一が大切にしていた環境への想いを、また違った形で私たちに届けてくれるという、実に「sakamotocommon」らしい取り組みだ。
アップサイクルを手がけるのは、京都府・亀岡市で活動するSDGs団体〈HOZUBAG〉。使用済みのパラグライダー生地を回収、解体してバッグに生まれ変わらせるブランドだ。
厳しい基準により飛行寿命を迎えたパラグライダーを回収し、亀岡市にある拠点「HOZUBAG Mfg.(ホズバッグ マニファクチャリング)」で解体、裁断の工程を経て、バッグへと再生させ、世界に向けて出荷している。
今回の取り組みでは「sakamotocommon」と〈HOZUBAG〉が協力し、壁面展示の幕を活用して2種類のアップサイクル製品を製作する。一つは〈HOZUBAG〉の定番であるトートバッグ、もう一つは「TREES FOR SAKAMOTO」に合わせて植物の鉢カバーとしても使えるプラントバッグだ。「sakamotocommon」のクラウドファンディングへの賛同の返礼品として手に入れることができる。
さらに、春には展示の幕のクリーンアップを体験できるワークショップも開催される予定。〈HOZUBAG〉も普段からアップサイクルのワークショップを行っており、今回の取り組みは多くの人々に資源の循環や環境保護の重要性を伝えるきっかけとなることだろう。