あの〈ロレックス〉が、環境保護活動にも力を注いでいることをご存じだろうか。「パーペチュアル プラネット イニシアチヴ」は、地球の未来を守る探検家や科学者らを支援する、〈ロレックス〉による環境保護への取り組みだ。その一環として、2022年から始まった〈ナショナル ジオグラフィック協会〉との共同プロジェクトが、2024年に終了した。
プロジェクトの名は「ロレックスとナショナル ジオグラフィック パーペチュアル プラネット アマゾン エクスペディション」。対象となったのは、地球最大の生物多様性を誇る熱帯雨林、アマゾンだ。「地球の肺」として知られ、世界の生態系にとって欠かせない場所だが、それを支える「水」の重要性については、これまであまり注目されてこなかった。今回は「水循環」に焦点を当て、アンデス山脈の氷河からアマゾン川の河口を舞台に、7組の探検家チームが地元コミュニティと調査を実施した。
このプロジェクトの一環で、驚くべき発見がアンジェロ・ベルナルディーノとマーガレット・オウオーによって成し遂げられた。彼らが、大西洋に流入するアマゾン川の水が形成する淡水の「プルーム」を調べていたところ、淡水のみで生育する初のマングローブ林を発見。これまで科学的に確認されていなかったこの発見は、アマゾンの生態系の複雑さと、それを支える水がどれほど重要かを再認識させた。
フォトジャーナリズムで伝える、アマゾンの美と危機
このプロジェクトには、もう一つの目的がある。得られた発見を共有し、多くの人々の環境意識を高めることだ。調査中は、ナショナル ジオグラフィックの探検家でフォトグラファーであるトマス・ペシャックが同行し、探検家たちの活動を記録している。彼が捉えるアマゾンの写真は、単なる風景の写真にとどまらず、アマゾンの水循環やその複雑さ、さらには地元住民の生活やそのつながりをも映し出した。
アマゾン川の多くの水域は、その危険性から到達が非常に困難だ。それゆえに、水中写真がほとんど存在しないこの地域では、ペシャックの撮影した写真は貴重な資料となる。彼の作品は、ただのドキュメンタリーではなく、アマゾンの自然の美しさとその驚異を視覚的に伝える強いメッセージを発信している。それは単なる美しい風景ではなく、行動を促す力を持っていると言えるだろう。
アマゾンの未来を守ることは、地球全体の未来を守ること。〈ロレックス〉の取り組みは、私たち一人ひとりが環境保護に目を向けるきっかけにもなるはずだ。