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五感を潤すアイデアは、日常に潜む。『Re:USE〜自然とのかしこい付き合い方〜』展が丸の内で開催

都会に生きていると、つい便利な方法を選択してしまったり、効率を追い求めたり。気づけば暮らしが味気ないと感じたことはありませんか?毎日使う道具や日常に潜む物事に、ちょっとした知恵を加えるだけで特別な体験を得る。これは都会に暮らすみんなが実践できる、スマートな提案です。

東京とロンドンを拠点に活動するクリエイティブ・エージェンシー kontaktがキュレーションする『RE:USE 〜自然とのかしこい付き合い方〜』が、12月7日からクリスマスまで、ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店にて開催される。イベントを企画した意図を、クリエイティブ・ディレクターの川島拓人に話を聞いた。

「今年の夏にコペンハーゲンへ撮影に行く機会がありました。そのときに取材したのが、今回参加してくれるNIKO JUNEという現代美術家のデュオ。20代のやんちゃそうなふたりなのですが、彼らのアトリエのミーティングテーブルの上にあったのが、近所で摘んだ雑草を乱雑に活けたアレンジメントでした。

例えば私も都心で生活をしていますが、なんでも“買う”ことが当たり前になってしまっているなか、コペンハーゲンの人たちは、身近な自然を上手に取り入れている。例えば、会社の休憩時間であっても暑ければすぐ近所の海で水浴びしてきたり。自然との距離感がすごくモダンに感じられたんです。東京にも自然はあります。足を運んでくれた人が、私が感じたのと同様に、日常を豊かにする“気付き”を得てくれればよいなと思い企画したんです」

“RE:USE”とは、リユース(再利用)の意味もあるが、今回のイベントでは「使い方を再定義する」という意味合いに近い。自然をただ愛でるだけでなく、食す、香る、活ける、など五感を通じた自然との付き合い方を、現代的(都会的)に提案する内容になっている。

「空き地に咲く雑草を活けてみる。水道水をワイングラスで飲んでみる。そんな簡単なことでいいんです。ちょっとした知恵やアイデアがあれば、日常の出来事や目にするものを特別な体験にできる。能動的に動いて、より人間らしい暮らしを取り戻すことができる。今回のイベントでは、そんな素晴らしいアイデアをスマートに実践する人や店、道具たちを紹介したい」

『RE:USE〜自然とのかしこい付き合い方〜』では6組のクリエイターが参加。期間中、店舗内には仮設のビニールハウスが建てられ、〈The Little Shop of Flowers(ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ)〉が野に放置された雑草を使って空間を彩る試みも。1年を締めくくるイベントのひとつとして足を運び、心身ともにリフレッシュさせたい。

参加する作家やクリエイター

NIKO JUNE(ニコ・ジューン)

フラワーベース

道端に咲く雑草すらも強く、美しく演出するフラワーベースは、コペンハーゲンを拠点にするアーティストデュオ〈NIKO JUNE(ニコ・ジューン)〉が制作。ビールを運ぶための容器を一点一点いびつな形に成形したアップサイクルなプロダクトです。「フラワーベース」27,500円

Epo Labo(エポラボ)

富ヶ谷にある自社工場で蒸留する〈Epo Labo(エポラボ)〉

野山を分け入り採取してきた植物を渋谷区の富ヶ谷にある自社工場で蒸留する〈Epo Labo(エポラボ)〉。抽出したエッセンシャルオイルを調香し、植物本来のフレッシュな香りをバスリキッドやディフューザー、さらにはフレグランスオイルに。スモールビジネスだからこそ実現可能なクオリティの高い〈Epo Labo〉のオリジナルプロダクトがラインナップします。写真左から/ベッドに吹きかけるとリラックスできる「フローラルウォーター」1,980円、玄関やバニティスペースなどにぴったりな「ディフューザー」16,500円、モロッコでは来客時に手にパシャパシャかけることでおもてなしやおもいやりを表現する伝統的な香り“コロンヤ”の「エッセンシャルオイルスプレー」3,960円、浴槽が柚子の香りでいっぱいになる「バスリキッド」7,150円、携帯にも便利なロールオンタイプの「フレグランスオイル」9,900~11,000円

SUNPEDAL(サンペダル)

さんぺだる塩淡路島ver.

ヴィーガンフードクリエイター〈SUNPEDAL(サンペダル)〉のYokoさんが国内を旅する中で感化され、そして制作した「さんぺだる塩」。淡路島の海水から採取された希少な大粒のレアソルトに、薬効効果のあるホーリーバジルやハイビスカスの実、カレンデュラなどの草花をブレンド。日本の風土を感じる、彩りあざやかなさんぺだる塩淡路島ver.が登場します。「さんぺだる塩 淡路島ver.」3,575円

mitate(みたて)

骨董の器

「まずは野生の草花を観察し、一輪を愛おしむことをはじめてみる」をテーマに、一輪挿しを楽しむための器の選定を京都のお店を構える〈mitate(みたて)〉に依頼しました。花瓶ではなくさまざまなものに、山野草を活け、そして“見たて”るmitateが、蚤の市で見つけたガラス瓶や骨董、蛸壺、さらには朽ちた竹など、植物を愛でるためのユニークな器たちを集めました。「骨董の器」2,750〜44,000円

桐山製作所

蒸留器

例えば元気がなくなってしまったバラの花束を蒸留し抽出したアロマオイルやアロマウォーターを無香料のハンドソープや除菌用アルコールにブレンドしてみると……。鑑賞するだけの自然だけでなく、日常的に自然の香りをもっといろいろなシーンで気軽に、楽しむことができる自宅用の蒸留機は、1948年に創業した理化学実験用硝子機器を製作する〈桐山製作所〉のもの。「蒸留器」106,700円

The Little Shop of Flowers(ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ)

雑草

原宿と渋谷PARCOにお店を構える〈The Little Shop of Flowers(ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ)〉が、放置状態にある調布の雑草地帯に咲く草花たちをビューティ&ユース ユナイテッドアローズ 丸の内店に。「お花屋さんに陳列するコントロールされた美しい花がある一方で、土手とかに見られる、いろいろな種類の草花が力強く咲く風景の美しさもあることを伝えたい」とはオーナーの壱岐ゆかりさん。スペシャルな空間を雑草たちでつくりあげます。