看護師 → 広報ブランドマネージャー、写真家
“行動しながら学ぶ”を繰り返しビールの世界へ
クラフトビールの老舗メーカー・横浜ビールの広報担当として、SNS運用や商品開発などに携わる工藤葵さん。「カメラを手に取材に赴いたり、農家を訪ねたり、企業と新商品を考案したり。ビールを介して人と関わる毎日は刺激的です」。
元は看護師だった彼女。病院勤務を経て介護老人保健施設へ異動したことが転機になった。「老いと向き合いながら思い思いに余生を謳歌する入所者の姿を目にして、自分の生き方を見つめ直すようになりました」
そんな折たまたま作り手と知り合い魅せられたのがクラフトビール。人と人とをつなぐことができるビールの可能性に共感し、その魅力を伝える表現がしたいと一念発起。看護師を続けつつ、まずはビアジャーナリストアカデミーという講座に通った。
「週に1回、1ヵ月半ほど通う講座で、ビールの基礎知識や文章の書き方などを一通り学びました。ビール関係の知り合いを広げることができましたね」。
修了後はビールイベントの企画やウェブ記事の執筆など、好奇心の赴くままに挑戦。そうした行動力が身を結び、縁あって現職に携わるとともに、並行して習得したスキルを生かして写真家としても活動している。「写真もビール同様、コミュニケーションを育んでくれるんです。新たな文化や人との出会いが嬉しいですね」
果敢に学び挑戦することで新しい生き方を掴み取った彼女は今、働くことが楽しいという。
「もちろん大変なこともありますが、働くことを通じて日々、“生きるまぶしさ”を実感できていることに喜びを感じます」
接骨院施術師 → コンサルタント
業務もキャリアも、絶えず考え、絶えず学ぶ
大手コンサルティング会社に勤める戸澤和俊さんは、ITやテクノロジー領域で活躍するコンサルタント。CIO(最高情報責任者)らの相談役として企業の戦略立案を支えている。
「現職を志したのは“考える”のが好きだったから。課題に対し目標を定め、必要なことを洗い出し実行する思考プロセスは、業務上もスキルアップ上も心がけてきたことです」
学生時代はバスケットボールに打ち込み、トレーナーを目指した戸澤さん。柔道整復師の資格を取り接骨院に就職。経営にも携わるが「社会に出て視野が広がった今、改めてやりたいことを考えたい」と3年目で転職を思案。ネットで情報収集をしながらコンサルタントに照準を合わせ、未経験で外資系ITコンサルティング会社の門を叩く。
「語れる実績はないけれど明確な目標だけはあったので、面接に臨む際、“ごっこ遊び”の感覚でその会社のビジネスプランを妄想して持っていったんです。すると面接官が次につながるフィードバックをくれて。そのやりとりが学びの第一歩でした」。以来、数社を渡り歩き実績を積む中、マネジメントの知見を得るべく時間外に大学院へ通いMBAを取得するなど、絶えず目的を定めて学び続けている。
「実績と学びを積み重ね自信がついたことで、最近は怖いものがなくなってきた感覚。ある企業の方から“君はやったことがないことをやるスペシャリストだ”と評価してもらえた時は嬉しかったですね。接骨院から異業種への転職も、ゼロから成し遂げた誇らしい経験。今後も成長を続けたいです」