メーカー製品企画 → エンジニア
育休からの復帰後に挑んだスキルアップ
精密機器の大手・キヤノンで、プリンターの製品企画や業界のトレンド調査などに携わってきた明神理恵さん。3人の子供を抱えながら、自ら希望しエンジニアへ転身。現在はソフトウェア開発に携わって5年目だ。
「AIやソフトウェアの知識があった方が、具体的かつ的確な企画を提案できると感じ、職種転換に興味を持っていました。“企画したものを自分で作りたい”との目標もありプログラミングも勉強したいと思っていましたが、2人目までは仕事と子育てで手いっぱい。3人目を産んで職場復帰したタイミングで、社内の研修公募に応募しました」。
ソフトウェア技術者への職種転換を希望する人向けに、研修制度が整うキヤノン。これまでに同様の研修で、約180人が学び直しを行った。
「研修期間は4ヵ月。朝8時半から17時まで講義があり、学習量が多くテストもあったので、自己学習がマスト。子供を寝かしつけた後に復習したり週末も家族に協力してもらい勉強の時間を作ったり。期間が決まっていたので走り切れたと思います。同期の存在も大きかったです」
研修を終え職種転換を果たした彼女。以降は、得た知識を現場でアウトプットすることが一番の学びだ。「チームで開発をするので同僚全員が先生。新しい技術や流行のソフトの情報もいち早く知ることができる環境になり、刺激的です」。仕事に勉強に子育てにと生活は忙しくなったが、日々は充実。
「30代前半は子育てに時間を使ってきたので、これからは仕事に投資したいなと。結果が返ってくると信じ全力で向き合っています」
ウェディングプランナー → キャリア教育企画
学びを続けた結果、やりたいことが仕事に
総合人材サービスのパーソルキャリア内に2021年に新設された「キャリア教育推進グループ」。小中学生を対象に『“はたらく”を考えるワークショップ』を実施する部署だ。竜田遼さんが、入社前からボランティアで行っていた取り組みを会社に提案し、発足した。
「子供に“はたらく”イメージを聞くと、ネガティブな声が多い。でもワークショップ終盤には、“楽しそう”“好きな仕事を選びたい”と前向きな意見に。10年後の彼らの未来を変えたいとの思いで取り組んでいます」
職歴のスタートは、新卒で配属されたウェディングプランナーの仕事。「異なる環境でも活躍できるスキルを身につけたいと思い始め、友人や先輩に相談し内省の時間をとりました。振り返ると学生時代から好きだったのは、人を育てる場作り。そこで人材サービス業界への転職を考えました」
そして医療系のキャリアアドバイザーに。独学で医療や医療経営の勉強に励んだ。その時幅広い世代へのキャリア教育にも興味を持ち、ボランティアでワークショップを始めた。
「その後今の会社に転職し、引き続きキャリアアドバイザーに。しかし経験ゆえの驕りがあってか成果が出ず、改めて質問術やカウンセリングを勉強し直しました」。こうして研鑽を詰んだ後、キャリア教育を業務として取り組みたいと提案し今に至る。
「学び続けた結果、自分のやりたいことと会社でやるべきことがほぼ同じという環境を作ることができました。学んだことが後々生きてくるのが、大人になって学ぶことの面白さです」