Learn

PR

Learn

学ぶ

PR

〈ロイズ〉〈ゴーゴーカレー〉etc. 心を揺さぶったご当地企業のPR12選

地方都市に根を張り、息づく企業たち。そのPR活動は、認知度向上はもちろん地元住民とのつながりを作り、その経済への貢献も果たす。全国12の企業から、心揺さぶった12の事例を紹介。

text: Sho Kasahara, Mutsumi Okazaki

ロイズコンフェクト 北海道/札幌市

〈JRロイズタウン駅〉行き特別列車で、チョコレート旅を

JRロイズタウン駅
北海道の在来線としては約20年ぶりに新しい駅が誕生。

北海道土産としても愛される〈ロイズ〉。2022年、工場のある当別町(とうべつちょう)にJRロイズタウン駅が開業し、翌年にはチョコの製造過程を学べる体験型施設がオープン。施設の1周年記念では特別列車ツアーとチョコ詰め放題イベントも開催され、チケットは即完売に。鉄道ファンから家族連れまで幅広い層へのアプローチが実現した。PR担当者が商品企画を行うこともある同社の「現場を知り、商品を語る」姿勢が、ファン獲得を後押ししている。

haccoba -Craft Sake Brewery- 福島県/南相馬市

日本酒とアートがつなぐ、浪江町の記憶と未来

同じアート作品を施したハンカチで包んだ酒「Fuuu!do」
同じアート作品を施したハンカチで包んだ酒「Fuuu!do」。

2024年、南相馬市の酒造メーカー〈haccoba〉がクリエイティブカンパニー〈ヘラルボニー〉と手を組み、アートプロジェクトを始動。舞台は東日本大震災後、一時的に人口がゼロになった福島県浪江町だ。住民が残したい記憶や描きたい未来を〈ヘラルボニー〉のアーティストが描き、町中に屋外アートとして掲示した。〈haccoba 浪江醸造所〉にも飾られ、同じデザインを纏(まと)った酒も販売。県外からも人々が訪れ、今の浪江を伝える懸け橋に。

ヤッホーブルーイング 長野県/軽井沢町

“飲みづらいグラス”で、あえてゆっくり飲むという提案

末永く飲酒ライフを送ってほしい、という思いが込められたグラス
末永く飲酒ライフを送ってほしい、という思いが込められたグラス。

お酒と上手に付き合う“適正飲酒”への関心が高まる昨今。「よなよなエール」などで知られる〈ヤッホーブルーイング〉が「ゆっくりビアグラス」を開発し、その一つの答えを出した。このグラスは、ビールが少しずつしか流れ出ない独特の形状で、飲む速度を自然とコントロール。砂時計形の丸みを帯びたデザインで、香りも閉じ込められる。10個限定の抽選販売に対して、2,750件の応募が殺到するという大きな反響に。

ゴーゴーカレーグループ 石川県/金沢市

能登に元気を届ける「復興ゴーゴープロジェクト」

「復興ゴーゴープロジェクト」
“複数のカツ”と“被災からの復活”を意味する期間限定メニュー。

2024年の元日に発生した能登半島地震を受けて〈ゴーゴーカレー〉は復興プロジェクトを発足。地元・石川への思いを原動力に、レトルトカレーを被災地に届け、炊き出しなどの活動にも積極的に取り組んだ。この年には20周年を迎え、創業日の5月5日からは期間限定で「復カツカレー」を提供(現在は終了)。1皿につき55円を義援金として寄付した。カレーを通じた地元への支援は、さらなるブランドの認知とファンを獲得している。

ヤマハ 静岡県/浜松市

ライブを“真空パック”する。最新技術で蘇る、あのステージ

東京・目黒の鹿鳴館で行われたLUNA SEAのライブを再現するデモ。
東京・目黒の鹿鳴館で行われたLUNA SEAのライブを再現するデモ。

〈ヤマハ〉は楽器メーカーとしての技術を生かし、音楽文化の創出にも力を注ぐ。2017年には“ライブの真空パック”をコンセプトに「Real Sound Viewing®」を開発。映像や音響、照明、舞台演出などライブ全体を記録し、忠実に再現する技術だ。24年にはLUNA SEAをアンバサダーに迎え、彼らの伝説的なライブを再現。特殊装置を付けた楽器が振動し、“生の音”を自動演奏するこの仕組みは、多くの業界関係者からも注目を集めた。

ジェイテクト 愛知県/刈谷市

スポーツと教育で地域振興。愛知の学校にハンドソープを

ジェイテクトのマスコットキャラクター「スティンビー」も参加した贈呈式
贈呈式にはマスコットキャラクター「スティンビー」も参加。

トヨタグループの自動車部品メーカー〈ジェイテクト〉は、男子バレーボールチーム〈ジェイテクトSTINGS愛知〉の運営にも力を注ぐ。2024年には、チームロゴを配したオリジナルラベルの薬用ハンドソープを愛知県内の小中学校に寄贈し、子供たちの感染症予防への思いを形にした。この取り組みは地元メディアやSNSでも話題を呼び、教育関係者からの支持も獲得。地域に根ざした企業としての活動をアピールすることに成功した。

井村屋 三重県/津市

定番アイテムを配るイベントで、真夏にファンと交流

津市の井村屋本社前の広場で、地元ファンにあずきバーを振る舞う様子
津市の井村屋本社前の広場で、地元ファンにあずきバーを振る舞う。

発売から50年以上にわたって愛され続ける〈井村屋〉のロングセラー「あずきバー」。暑い夏を乗り切ってほしいとの思いから、7月1日を「井村屋あずきバーの日」に制定し、毎年東京・名古屋・大阪であずきバーサンプリングイベントを実施している。2024年は、地元の熱い声を受け13年ぶりに津市でも開催。あずきバーの無料配布タイムには開始前から長い列ができ、1時間半で予定数量1,000本を配り終えるという盛況ぶりとなった。

ケンミン食品 兵庫県/神戸市

世界に広げる、グルテンフリーラーメンのおいしさ

ケンミン食品 大阪・関西万博会場で販売するメニューを記者会見で発表
大阪・関西万博会場で販売するメニューを記者会見で発表。

国内ビーフン市場の約50%のシェアを誇る〈ケンミン食品〉。2020年にラーメン店〈Tsurumen〉の大西益央氏(写真右)と共同開発した新たなブランド〈GF RAMEN LAB〉をスタート。約2年間の試作を繰り返し、小麦をいっさい使わずラーメンらしさを追求したグルテンフリー麺がついに完成。メディアからも注目を浴び、25年の大阪・関西万博にグルテンフリーラーメン店の出店が決定。世界から来場するゲストたちの需要に応える。

コトブキ印刷 広島県/府中市

廃材を、新しい紙に生まれ変わらせる

さまざまな廃材を使って作られた紙の名刺
さまざまな廃材を使って作られた紙の名刺。

広島を地元とする〈コトブキ印刷〉は、培ってきたデザインや印刷技術を生かし、廃材を新しい紙に生まれ変わらせる「めぐる、手漉紙。」プロジェクトをスタート。デニムや家具、味噌など、もの作りが盛んな地元の企業から提供された廃材を使用し「インディゴデニムペーパー」「府中家具の木くずペーパー」「みそペーパー」などと名づけたオリジナル紙を開発。さらに実際の紙漉(す)きは福祉作業所に依頼し、工賃格差の解消も目指した。

八天堂 広島県/三原市

広島×各地方都市。ご当地くりーむパンで、全国を元気に

とろける高知くりーむパン 柚子
「とろける高知くりーむパン 柚子」をはじめ20種が発売中。

創業90周年記念として「ふるさとくりーむパン」を発売した〈八天堂(はってんどう)〉。福岡の「あまおう苺ミルク」、名古屋の「小倉ミルク」など各地の食材・食文化とコラボ。2024年には、高知県での新フレーバー開発を機に、室戸市・東洋町と新たな協定を結び、記者会見も実施。食を通じてさまざまな地域の魅力を再発見させた。「地元の味が商品化されてうれしい」「旅行気分を味わえる」との声も広がり、全国区での存在感を高めている。

久原本家 福岡県/久山町

江戸時代から続く手延べそうめんを、イベントでアピール

店舗併設の会場で職人と実際の手延べそうめん作りを体験する子供
店舗併設の会場で職人と実際の手延べそうめん作りを体験する子供。

調味料ブランド〈茅乃舎(かやのや)〉などで知られる老舗食品メーカー〈久原本家(くばらほんけ)〉。「地域食文化の発信」をテーマの一つに掲げており、中でも「茅乃舎 別誂え 島原手延べ素麺」は長崎・島原の伝統技術の保全を目指し開発された。2024年には夏休みの子供たちと一緒にそうめんを作るイベント『そうめん博士になろう!』も開催。手延べそうめんの職人が登場し、クイズ形式でそうめんの歴史や製法も紹介。親子2世代へ伝統食の魅力を届けた。

オリオンビール 沖縄県/豊見城市

宮古島の絶景が渋谷に登場。ビールと楽しむ、海と白砂

東洋一の美しさといわれる〈与那覇前浜ビーチ〉を再現した空間
東洋一の美しさといわれる〈与那覇前浜ビーチ〉を再現した空間。

沖縄を象徴する“県民酒”〈オリオンビール〉が2024年のGWに手がけたのは〈秒で沖縄に行けるバー〉。東京・渋谷で沖縄旅行気分を楽しめる没入体験型のバーだ。宮古島のビーチを再現した空間には、波を映したプロジェクションマッピングと本物の白砂が広がり、非日常感を演出。無料で提供されるオリオンビールを片手に、都会の喧騒を忘れる贅沢なひとときが楽しめる。予約開始から1日で1,000席以上が埋まり、想定以上の反響を呼んだ。

心を揺さぶるPR

PR TIMESを知るための5つのこと

企業や組織のためになる「PR」を追求している〈PR TIMES〉って一体どんな会社?基本サービスや、独自プロジェクトを紹介。