宣伝美術、印刷物のすべてが公演の一部。
「パンフレットなどが、“モノ”として昔から好きでした。映画のパンフなども、いつまでも持っていたい・眺めていたいという所有欲があった。チラシやパンフレットの文化は特に日本で発達したものだと思います。演劇の場合、お金のないなか唯一効果の見込める宣伝ツールがチラシ。だからこそ、こだわってきました」
以前はチラシの束のなかにあっても人を驚かせるようなものを目指していたが、最近はシンプルなものがいいと考えている。
「『睾丸』や緒川たまきさんとのユニット〈ケムリ研究室〉のビジュアルワークは、チャーハン・ラモーンさんにお願いしました。非常に優れた若手デザイナーで〈ケムリ研究室〉の専属顧問デザイナーとして参加していただき、緒川さんの提案も含め、踏み込んだコラボレーションをしながら作り上げました」
最新作の『イモンドの勝負』の宣伝美術は、Twitterで見つけた造形作家の作品を使い、世界観を広げていったそうだ。「デザイナーさんとのやりとりも楽しく、そこから僕の舞台作りは始まっている気がします」