パワースポットとは、「悪い気を落とせる場所」
パワースポットという語が広まって久しいが、よく知らないという人、そもそも「スピリチュアル」なものを敬遠している人もいるだろう。だが、「絶対に行ったほうがいい!」理由がある。自身もパワースポットを多く巡っている、占い師・風水師のLove Me Doさんが教えてくれた。
曰く、「成功している人ほど、実は超自然的なものを信じ、実践しています。風水を使って家を建てたり、神社に奉納をしたりなどです。私も、とある神社にお参りに行った後にグッと仕事が増えたことがあります」(その神社の話は後述!)。
パワースポットを訪れる=その場所のパワーを分けてもらうというイメージ。それも正解だが、実はより大事なのは「悪い気を祓う」ことらしい。
「エネルギーというのは、クリアにしていかないと上の段階に行けません。自分の運(エネルギー)を上げるためには、不運のお祓いをすること。そして不運というのは大抵、人から送られた念で起こります。『なんだか気分が晴れない』『嫌なことが続くなあ』と思ったときは、パワースポットに行くべきタイミング。悪いものを浄化し、良いものを呼び込む土台をつくりましょう」
では、本題。パワースポットをパワースポットたらしめているものはなんなのか?端的に言えば、それは土地が持つエネルギーだという。そのエネルギーが、いわゆる「運気」につながっている。神道的な「神様の力」というよりも、もっとプリミティブな感じ。筆者がこよなく愛する漫画『呪術廻戦』でも産土神が重要なファクターとして登場するが、これも「特定の土地には特定のエネルギーがある」という考えとリンクしているのだろう。
では、どんな土地がエネルギーを持つというのだ?そこには古代から続く龍信仰(龍神信仰)の存在がある。
「古代日本では、山の稜線を龍の背に見立てた『龍脈』や、龍脈が終わる『龍穴』にあたる土地が信仰されてきました。政治的に大事な施設や神社などはこの龍脈と龍穴の上につくられることも多かったのです」
洋の東西を問わず、想像され、畏怖されてきた龍。筆者のバイブル『ドラゴンボール』の神龍しかり、人智を超えた力を持っている。土地を龍に「見立てる」ことで発見されてきたパワースポット。その超自然的を追い、ゲットしていくことで運が開けるのだ。
まずはここから!BRUTUS的パワスポラインナップ
いわゆるパワースポットには神社仏閣が多い。けれどそれは、信仰の場だから力があるのではなくて、力のある土地だから、人がそこに神仏(ご利益)を見たと言えるのかもしれない。事実、パワースポットには、ユニークな地形の場所が多い。
「パワースポットにもいろいろありますが、異空間に来た感覚になれる場所がおすすめです。私がご利益を感じた神社や、アウトドア的視点でも楽しめそうなスポットを紹介します」
小網神社(東京)
「日本橋にあるこの神社は大変人気ですが、その力は本物です。私が昔まだあまり仕事がなかったときにお参りしてお守りを買ったところ、パッと状況が良い方に変わりました。戦時中も戦火を免れて残ったお社だと聞いたことがありますが、そういった歴史もエネルギーの強さに関わっているのかもしれません」
榛名神社(群馬)
「岩の中に社殿があり、その光景は圧巻。一度は行った方がいいパワースポットです。山という地形は先ほどの『龍脈』にも通じますし、榛名山は『榛名富士』とも呼ばれる秀峰を含む霊山。その気がダイレクトに流れ込んでいる神社なので、特別な趣があります」
雄山神社 峰本社(富山)
「立山連峰の頂上に鎮座していて、まるで雲の上に神社があるように見えるんです。登山しなければ辿り着けないのですが、私も登っているうちにどんどん気分が高揚していったのを覚えています。見晴らしも最高で、とにかく気持ちのいい場所です」
ねじれ木
「土地の気が強いと、そこに生える木がそれを受けてねじれることがあります。幹が渦巻きのように幾重にもねじれているものを見たら、それはパワースポットのしるし。磁場などが関係するのかもしれませんが、圧倒的なエネルギーを感じます」
巨石
「ねじれ木もそうですが、どうしてこんなものができるのだ?という不思議な現象が見られるのが、パワースポットの特徴の一つです。巨石も大地のエネルギーの表れではないでしょうか。例えば栃木県の名草巨石群には、弁慶が割ったと言い伝えられる岩もあります。大きな岩はそれだけで昔から人を惹きつけてきたのでしょう」
保存版!パワースポットの「使い方」
それでは、パワースポットで何をしたらいいか?(現金な疑問ではあるが)ご利益の有無はどうやってわかるのか?良いパワースポットの見極め方は?など、五箇条を伝授する。
其の一 その土地で飲食をする
「土地のエネルギーを体内に取り入れ、持って帰りましょう。近くの自販機で水を買って飲む、といった簡単なことで構いません」(Love Me Doさん)。土地のものを口に入れることで、自分とそのパワースポットの気を「同期する」イメージだ。名物B級グルメを楽しむのも、立派な開運方法となるぞ。
其の二 お賽銭はケチらない
何も賽銭箱に札束を入れる必要はない。ただ、「もったいないな、などのやましい気持ちは不運を呼びます。お賽銭は多めに入れておくくらいが、運気をあげる鍵になるでしょう」とのこと。小銭入れを開いて迷ったら、額の大きい方を。そして大切なのは、「一銭入魂!」の姿勢。
其の三 辿り着くまでの苦労を厭わない
パワースポットには、アクセスに体力がいる場所も少なくない。が、「苦労はレベルアップにつながります。たとえば数百段の階段を上り切ると、自信がつきますよね。そこで自分が変われた感覚を得られれば、その場所の力を上手に取り入れることができます」。たとえ火の中水の中草の中……!の心意気だ。
其の四 訪問前後の嬉しい知らせ=ご利益
具体的な願い事がある場合は別として、パワースポットを訪れるご利益はどう出てくるのだろうか。Loveさん曰く、「前日から翌日に嬉しい連絡が来るかどうか」でわかるという。訪問前日も含まれるのは、心は先にその土地に飛んでいると考えるため。「はやる心」が念となってパワーを先取りするというわけだ。
其の五 人が多すぎないところがベター
人が集まっていると強力そうなイメージがあるが、実はその逆。「気が荒らされてしまったり、分散してしまっていることがあるので、できれば超人気観光スポット的なところは避けましょう」。バーゲン会場でどんなに良い品があっても、人混みの中ではうまくゲットできないのと似た原理だろう。
とはいえ、食べ物に「体質に合う・合わない」があるように、パワースポットとの相性ももちろん存在する。また、そのパワースポットのエネルギーが今の自分に必要だったかどうかという点もご利益の実感の差になる。直感で「ここに行ってみたい」と思う場所に赴くのが、案外最良の手かもしれない。フットワークは軽く!
パワースポットのある日常へ
「占いなものに抵抗がある人でも、『運が良い・悪い』という感覚は持っていますよね。人間は誰しもスピリチュアルな能力を持っているということ」と、Love Me Doさん。例えば、『なんとなくあの人に会いたくない』『あそこに行きたくないな』と思うことがあるのは、その人や場所から悪い念を受けないようにと防衛本能が働いているのだそう。
「無意識を『安心させる』ことが大事なんです。土地のエネルギーを借りて、自分でも意識できていない不安やストレスを緩和できるのではないでしょうか」
人生という冒険物語の主人公は他ならぬ自分。パワースポットを巡りながら悪いものを落とし、良いものを集めていこう。日本百名山や百名滝を巡るのと同じ感覚で、行ってみたいスポットをリストアップだ。小学校時代のシール帳感覚で、御朱印を集めてみるのもいい。
「行かない人は一生気が付かない、それがパワースポットの力です」──Love Me Doさんの一言が重い。さあ、パワスポクエストを始めよう。