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植物の棚は金属製が最適?インテリアスタイリスト・川合将人と作る、理想の植物部屋

日常の空間にグリーンをセンスよく飾るためのBRUTUS的・植物部屋作り指南。LEDライトの合わせ方や緑に優しいディスプレイ法を、植物好きインテリアスタイリストと考えた。

photo: Satoshi Nagare / styling: Masato Kawai / text: Masae Wako / edit: Shogo Kawabata / special thanks: Ada Lab / plant&green: BABABA

「人気のパルダリウムを飾るなら、鉢植えの観葉植物も合わせたい。景色に動きが出て、より豊かな空間になると思います」

そう話すのはインテリアスタイリストの川合将人さん。植物の棚は、採光や通風の面でも耐荷重やメンテナンスの面でも、表面がコーティングされた金属製が最適だ。

「今回は植物自体の色が映えるように、棚を無彩色で統一。無機質にならないよう、木製の鉢などの自然素材を取り入れると、日常空間に自然に溶け込みます。そして室内栽培に欠かせないLED照明は、普段使いのデザイン照明の電球を換えて、インテリアに馴染ませるのがよし。植物の姿が個性的な時は、明るい色の小物や本、ポップなオブジェをアクセントにすると、バランスよくまとまります」

1.マグネット型LEDですっきりディスプレイ

マグネット型LEDですっきりディスプレイ
パルダリウムを棚に並べる時のLED照明は金属製の棚板の裏やフレームに付けられるマグネットタイプがおすすめ。「マグネットライトGスリム」。上段の卵形ケースは「ガラスポット SHIZUKU」。植物は左がネペンテス、右がヤブレガサなど。下段のドーム形ケースが「CELL」。植物は左がオペルクリカリア、右はブロメリア。LED、ケース共に〈アクアデザインアマノ〉(ADAサービスセンター support@adana.co.jp)。

2.理化学容器でひと味違うパルダリウムを

理化学容器でひと味違うパルダリウムを
標本瓶などの理化学容器はパルダリウムにもぴったり。口が広くて手入れしやすいものを。写真は〈小泉硝子製作所〉の標本瓶(左2点)と試薬瓶(右2点)。植物は左から、ラシナエアクリスパ、プレウロタリス、アヌビアス、フィロデンドロン。棚板の裏にレール状のLED照明「BAR LIGHT L610」(HaruDesign harudesign.shop)を設置し、4点まとめて照射。下段右下の水槽は「ネオグラス エア」(ADAサービスセンター)。

3.デザインのいい照明でセンスよく育てる

デザインのいい照明でセンスよく育てる
アームの可動域が広いデスクランプを使い、広範囲の植物に照射しディスプレイ。一般的な照明器具に取り付けられる植物育成用LED電球を使えば、デザインのいいライトで植物栽培が可能。〈京セラ〉LEDライト「CERAPHIC電球」(CERAPHICお問合せ窓口 info_ceraphic_sh@kyocera.jp)。本棚はサイコロ形のシェルフを自由に組み合わせられるスチールワイヤー製のシステム棚「パントン ワイヤー」。植物は左がフィロデンドロン。量感のある木製の鉢と合わせた。右上はアスプレニウム。

4.ダイナミックなアートと組み合わせる

ダイナミックなアートと組み合わせる
モダンなコンソールテーブルに大ぶりの植物を飾り、生命力を感じるアートと合わせた。左のパルダリウムには、手前に扉が付いたケース「システムパルダ300」と、LED照明「アクアスカイRGBベーシック300」を使用(共にADAサービスセンター)。右のガラス鉢に植えたのはオシダ。左上はビカクシダ。コンソールテーブルは〈ゼウス〉の「アトリウム コンソール」399, 300円(BUNDLESTUDIO bundlestudio.jp)。壁には写真家グレート・ザ・歌舞伎町による、手筒花火を撮った作品。

5.作家もののガラスジャーで山野草を飾る

作家もののガラスジャーで山野草を飾る
コーヒー豆やパスタなどの保存に使うフタ付きのガラス瓶で、ミニサイズのパルダリウムを作るのも楽しい。写真は人気ガラス作家ピーター・アイビーが一点ずつ作る宙吹きガラスのジャー。高さ約20㎝の小さな空間に、ヤクシマユキノシタや水草、コケなどを植えてみた。普段使いの器が並ぶキッチンの棚にさりげなく飾れば、いつもの景色がぐっとみずみずしくなる。

6.湿気のある洗面室にパルダリウムは最適

湿気のある洗面室にパルダリウムは最適
バスルームや洗面室に飾るなら、湿気に強いパルダリウムを。壁付けの木製棚に飾ったのは「ガラスポット MARU 130」(ADAサービスセンター support@adana.co.jp)を使ったパルダリウム。角度を変えられる〈NEMO〉のクリップライトで照射。洗面ボウルの横には、〈LSA〉製のガラスベースに、ネオレゲリアとビルベルギアをダイナミックにアレンジしたパルダリウム。写真では見えないが、天井付けのスポット照明の電球を、〈京セラ〉の植物育成用LEDライに換えて照射している。

7.リビングには上から眺めるアレンジを

リビングには上から眺めるアレンジを
ソファコーナーに置いた低めのリビングテーブルには、上から眺めて楽しめるパルダリウムを飾りたい。サボテンなど乾燥地帯の植物を中心に景色を作ったパルダリウムのケースは「ネオグラス エア」(ADAサービスセンター)。セルジュ・ムイユの優美な名作照明「アントニーデスクランプ」を合わせた。ソファはイタリアのデザイナー、ガストーネ・リナルディによる1970年の作。シダと並べた〈小屋木工〉の木製スピーカーはペアで330,000円(BUNDLESTUDIO bundlestudio.jp)。

8.手入れも楽しい、植物のある書斎を作る

手入れも楽しい、植物のある書斎を作る
書斎のデスクにも大胆に植物を置いてみる。仕事に集中した後は、手入れをする時間が気分転換になるはずだ。大ぶりのガラスポット(右)に植えたのはフィロデンドロン。左はドームを外して手入れ中のパルダリウム。ケースは「CELL」(ADAサービスセンター)。ピンセットやハサミなどの剪定道具は〈ダネーゼ〉のツールラックに収納。左奥の大きな鉢はアンスリウム フーケリ。黒のテーブルランプはイタリアの巨匠ヴィコ・マジストレッティが1977年にデザインした名作「アトーロ」。
耐荷重の大きい〈USMハラー〉のシステム棚を使って、植物をセンスよくディスプレイ
耐荷重の大きい〈USMハラー〉のシステム棚を使って、植物をセンスよくディスプレイ。植物は、木製スツールの上がアスプレニウム。

棚最上段は左から、エピフィルム、ネオレゲリア、ユーフォルビア、エクメア。卵形やドーム形の水槽を使ったパルダリウムに合わせたのは、マグネットタイプのLEDライト。棚の右の鉢植えはドラセナ ドラコ。左の黒いフロアランプは「シリオ」189,860円(BUNDLESTUDIO bundlestudio.jp)。