Love

珍奇植物図鑑。豊富なバリエーションの迷彩模様が魅力「アグラオネマ」

「カッコイイけど栽培が難しそうだよね……」なんて、今まであきらめていた植物も、LEDライトの進歩のおかげで挑戦しやすくなってきた。そんなLEDライトでの栽培に相性が良い植物たちから、ビザールで魅力的な植物「アグラオネマ」を集めてみた。

本記事は、BRUTUS「珍奇植物」(2025年5月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Akira Yamaguchi / text: Shogo Kawabata / special thanks: Keisuke Hase

「アグラオネマ」とは?

東南アジアを中心に分布するサトイモ科の植物。中でもピクタムは特徴的な迷彩模様の葉を持ち、人気が高い。この記事で紹介するすべてが種としては同じピクタムであり、驚くほどバリエーション豊か。湿度を好み、小苗の時期はガラスケースでの管理がよい。成株は馴化(じゅんか)させればケースなしでも栽培できる。

アグラオネマ ピクタム交配種 '白波朧錦(しらなみおぼろにしき)'

Aglaonema pictum

“朧錦(おぼろにしき)”と“柳緑花紅(りゅうりょくかこう)”と呼ばれる選抜品種の交配株。朧錦の後暗み(新葉展開時に斑(ふ)が出て、生長とともに葉緑素がのる)と柳緑花紅の特徴的なトリカラーを受け継ぐ海に立つ白波のような紋様がその名の由来。

アグラオネマ ピクタム “花天狂骨(かてんきょうこつ)”

アグラオネマ ピクタム “花天狂骨(かてんきょうこつ)”
Aglaonema pictum

結実した種子は、ここまで色づけば早めに収穫する。人工受粉を行い種子と果実が成熟するまで約半年~8ヵ月。果実が色づく前、膨らみきった段階で収穫しても構わないが、発芽までに余分に時間がかかる。

アグラオネマ ピクタム交配種 '氷輪白鵠(ひょうりんびゃっこう)'

Aglaonema pictum

“妖鳥”と“氷肌玉骨(ひょうきぎょっこつ)”の交配株。広範囲に白が広がる美しい個体。ピクタムの交配自体は比較的古くから行われていたものの、両親や野生株を超える表現が確認され始めたのは、この品種が出た2014年頃から。

アグラオネマ ピクタム “雷切(らいきり)”

アグラオネマ ピクタム “雷切(らいきり)”
Aglaonema pictum

2014年に発見された細葉ピクタムの代表格。細葉の小株は自生地でもそれなりに見られるが、栽培下で大株になっても細さと長さを併せ持つ個体は稀。細葉のまま葉数を揃えるのはやや難しい。

アグラオネマ ピクタム

アグラオネマ ピクタム
Aglaonema pictum

緑3色+白2色、合計5色のバランスのいい迷彩模様のタイプ。この鉢には4個体が植えられているが個体差はほぼない。インドネシア・アチェ州の中部あたりに遺伝的差異が少ない多産地が存在すると思われる。

No.1030「珍奇植物」ポップアップバナー