特集「写真はもっと楽しい。」を試し読み!あの写真家&写真好きは、どうやって写真を楽しんでる?
photo: Taiga Nakano, Yoko Takahashi, RK,Tetsuo Kashiwada, Tetsuya Ito, Satoko Imazu, Kimiko Nishimoto, Hiroko Matsubara, Jiro Konami, Jun Nakagawa, Keiko Nakajima, Taro Hirano, Jack Davison, Ayaka Endo / text: Rio Hirai, Tami Okano, Naoko Sasaki, Asuka Ochi, Toshiya Muraoka, Chisa Nishinoiri, Masae Wako, Foo Syoji, Taku Takemura
注目の若手からレジェンドまで、17人の写真家や写真好きが登場する、BRUTUSの最新号「写真はもっと楽しい。」 をダイジェストで紹介。彼らの作品と言葉から、写真のさらなる楽しみ方を探ります。
仲野太賀「光景を“肯定”して撮る」
仲野太賀は13歳で役者の仕事を始めるよりも早く、自分のカメラを手に入れた。撮影者と被写体、両方の気持ちがわかるようになった今、彼にとって写真を撮ることは「肯定する行為」だという。ファインダー越しに何を見つめているのか。
高橋ヨーコ「写真のために、行く、会う」
高橋ヨーコの旅と写真は、切っても切り離せない。なぜなら高橋にとって、旅をすることは、写真を撮ること、そのものだから。世界各地に赴き、かの地を撮り続けている高橋の、旅と写真に懸ける思いと頼る心情。
RK「フェイクが生み出すリアル」
“What I see vs What my camera sees” 。写真家のRKがInstagramに記した言葉は、目で見る風景とレンズを通した世界の違いを端的に表している。フォロワー数は76.5万。その写真の魅力とは?
柏田テツヲ「旅の先の“予想外”を閉じ込める」
旅、自然、環境問題などを軸に、粘り強く対象を追った作品で知られる、写真家の柏田テツヲ。自らの興味を突き詰め、伝えようとする原動力は、写真という想像の先へと導くアウトプットがあってこそ生まれている。
伊藤徹也「物語の途中を切り取る」
写真家ではなくフォトグラファーであることに自負があり、目の前にやってくる課題(≒仕事)に対して、千本ノックのように打ち返してきた30年。その日々は「面白くてたまらないし、まったく飽きない」と、伊藤徹也は言う。「自分の写真なんてわかんない」と語るが、近年の仕事から多様な写真を振り返ると、いくつかの共通点があった。
幡野広志×永積 崇「良い写真って、何だろう?」
コロナ禍で写真を撮り始め、初の写真集『発光帯』を発表した音楽家、永積崇さん。写真家として活躍しながらもワークショップを開くとたくさんの方々が集まる幡野広志さん。共にカメラを持って東京・日本橋の街を歩き、シャッターを切り、対話した、写真のこと。
西本喜美子「自撮りは、楽しかね!」
自虐を交えたユニークな自撮りで注目を集め、インスタのフォロワーは34万超え。御歳95歳の現役フォトグラファー・西本喜美子はフォトショップを駆使した作品を発表し続けている。遊び心を忘れない“自虐”写真の極意とは?
作原文子「つながりがあるから撮れる」
多くのフォトグラファーたちと信頼関係を築き、その場、そのチームでしか生まれ得ないものを作る。人気インテリアスタイリストの作原文子が語るのは、写真を介したつながりと、つながりが生む幸せの話。
小浪次郎「カメラを介して交流する」
自らの父親をレンズで捉えることが、写真体験の始まりだった小浪次郎。彼は今でも写真を撮るため、父ともそうしていたように、“対話する”よりも“時間を共有”する。そうして、被写体とのカメラを介した交流を続けているのだ。
スタイリスト・長谷川昭雄に聞くファッション写真のスタイルの作り方
どこかリアルから遠い世界を切り取っているかのような異質さのあった、日本のファッション写真。その不自然なシーンを刷新し、独自のスタイルを作り上げた“チーム長谷川”の写真作りとは?
平野太呂「ある視点から見て集め、並べてみる」
なんだか変わった風景、変わった車、変わった人。同じように撮り集められたものなのに、写真家、平野太呂のアメリカで撮影された3作品はついついニヤリと見入ってしまう。その理由は、彼ならではの着眼点とルール設定にある。
Jack Davison「モノクロームで浮き彫る情感」
強烈な黒のイメージに感情が揺さぶられる。イギリスの若手写真家ジャック・デイヴィソンが生み出すポートレートや風景写真は、時にシュールで、時に耽美的。複雑なプロセスを経て現れる、モノクロームの引力に迫る。
遠藤文香「私だけに見えた唯一の色を表す」
これは白昼夢か異世界の幻影か。北海道の自然や動物にストロボの光を当てて撮影し、デジタル加工を施すことで、記憶の中のイメージを表現する。注目の若手作家、遠藤文香が被写体から引き出すのは、自然と人為のはざまにある、唯一の色。