考え方は十人十色。
自分たちのやり方を追求
昨今、どこへ行っても耳にするサステイナブルという言葉。再生可能なエネルギーの開発、利用などはその最たるものだが、よくよく学べば学ぶほど、正解が一つではないことにも気づかされる。
アパレル業界とてそれは例外ではない。土に還る天然繊維に勝る素材はないという声もあるが、廃棄物リサイクルやリユースからのリプロダクションの優位性を説く人も多い。
〈PGG〉は独自の感性で、等身大の取り組みを考えた。単一素材を最大限活用したモノ作りだ。飽きのこない、あまり色落ちしない、長く着られて機能的なアイテム。生産工程においてもなるべく無駄は出したくない。
一つの素材があらゆるアイテムに
生まれ変わるマジック
辿り着いたのは「ポリエステル・ヤーン」という一本の糸の可能性。撚る、織る、編む、加工する。糸の本数やゲージ数を変えることでボリュームや立体感に差が生まれ、まったく違った表情のアイテムが生まれる。
編みでベンチレーションを作り真夏でも快適な清涼感溢れるニットを作ったかと思えば、張りがある型崩れしないニットジャケットをリリースする。一つのポリエステル繊維を最大限活用することで無駄をなくし、コストパフォーマンスも追求した。
この写真を見てほしい。天然繊維では表現できないポリエステル特有の“軽さ”を生かし、宙に舞ったこの美しいニットポロは、〈PGG〉というブランドを物語っている。
ゴルフウエア作りのノウハウを
最大限生かして快適さを追求
体の動きに合わせて計算されたパターンをもとに、着た人が完璧なパフォーマンスを発揮できるように袖と身頃がつながった構造を採用。それにより可動域が広がり、ストレスのない着心地に。背面や脇の下には、同じ素材の織りを変えることで通気性を確保した。
さらに、落ち感や波打ちの出やすいフォルムをしっかり整えるために、リブの袖口や裾の内側にテープを圧着するといったディテールにも、スポーツウエア作りで培ったノウハウが生かされている。
ポリエステルはコットンに比べて伸縮性と形状の安定性に優れた点、色褪あせしにくい特性からも劣化が少なく長持ちするアイテムであることがわかる。
ポリエステル特有のソリッドなテクスチャーは、スポーツの要素を持ちながら同時にモードなエッセンスと、ドレス感のある表情になっている。
長持ちさせるための、あらゆるスペックを備えたこのニットポロもまた、サステイナブルなウエアと呼べるだろう。