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描かれた猫たち。日本の猫漫画の変遷を辿る

約100年前から無数の漫画に描写されてきた猫たち。キャラも姿もさまざま、目移りするほど魅力たっぷりな猫漫画の歴史を概観!

text: Hikari Torisawa

監修:倉持佳代子(京都国際マンガミュージアム学芸員)

歴史は100年!日本の猫漫画の変遷を辿る

江戸時代の浮世絵に登場する化け猫のように、猫は長らく不気味なものとして描かれることが多かった。1930年代以降には『ネコ七先生』『火星探検』といった作品に言葉を話すかわいい猫が登場するものの、怪奇的描写は戦後の貸本漫画に継承されて多数の作品を生んだ。この潮流は少女漫画に接続、『ねこ目の少女』などのホラー作品が登場する。

60年代にはまた、『もーれつア太郎』のニャロメなど個性的な猫キャラも活躍、やがて社会現象にもなっていく。70年代、動物愛護法成立前後からのペットとしての地位向上を反映してか『にゃんころりん』などかわいい造形のキャラが現れるように。大島弓子によって発見された「猫耳」は記号化された漫画表現として定着し、次第に萌え要素として漫画界に浸透していく。

また『アタゴオル』などのファンタジー作品でも猫が重要なモチーフに。『What's Michael?』をはじめ、80年代には勝手気ままな猫の姿が人気を呼ぶ。90年代に入ると、飼い猫との暮らしを描く猫エッセイ漫画が増え一大ジャンル化した。

WEB配信からスタートした『きょうの猫村さん』、個人ブログ発の『くるねこ』などが登場するのが2000年代。続く10年代のSNSの発達は『夜廻り猫』や『鴻池剛と猫のぽんた ニャアアアン!』などのヒット作を生み出した。

コロナ禍を機に猫ブームが再燃した20年代は、もし猫が~だったら、人間が猫だったら、という設定がSNSを中心に人気を集めている。

年代別、猫漫画

1960年代

1970年代

1980年代

1990年代

2000年代

2010年代

2020年代