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シェフが提案するアウトドアレシピ。屋外で「茶」を点てる

カジュアルに楽しむ野点(のだて)でアウトドアなおもてなし。手作りのお団子も忘れずに。

Photo: Kiichi Fukuda / Illustration: Yoshifumi Takeda / Text & Edit: Chisa Nishimori

屋外で茶を楽しむ。
すなわち、茶と戯れる“心”を楽しむ。

アルミ製の弁当箱の中には、茶巾、茶筅、茶杓と抹茶。布に包んだ碗が2つと魔法瓶の中には湯。

「昔からこの野点(のだて)セットをいつも持ち歩いていて、行く先々で名刺代わりにお茶を点てて振る舞っていました。特に外国では、とても喜ばれるんです」

和菓子職人の稲葉基大さんのバッグの中には、この野点セットが入っていて、いつでもどこでも茶を点てる準備ができている。野点とは屋外で抹茶を楽しむ茶会のことをいうが、これだけの道具で楽しめるなんて、あれ?屋外でコーヒーを淹れるより簡単では⁉

アウトドア お抹茶 おやつ
知り合いの帆布鞄作家さんが作ったバッグの中に、ぴったり納められた野点セット。

「茶会と聞くと堅苦しいものを想像しがちだけど、“ごっこ”でいいと思うんです。今回合わせた茶菓子も、どこでも簡単に作れる一品。屋外でも作れるので“旅するひよこ”と命名。お茶を楽しむって、要は遊び心ですよね」

アウトドア お抹茶 おやつ
小さなお客様も参加して、河原でのんびり野点を楽しむ。

旅するひよこ

材料(2人分)
上新粉50g、砂糖50g、ジュース60g*今回はオレンジジュースを使用、片栗粉適量


作り方
①上新粉と砂糖をボウルに入れてよく混ぜ、ジュースを加えてさらによく混ぜて生地を作る。


②ザルの上に布を敷き、とろっとした生地を流し込んで蒸し器に入れて10分ほど蒸す。


③蒸し上がった生地を火から下ろし、濡れ布巾でよくこねる。

アウトドア お抹茶 おやつ
濡れ布巾を使うと熱々の生地も上手にこねられる。

④生地を12等分して丸め、片栗粉をまぶす。

アウトドア お抹茶 おやつ
生地を均一に12等分にする。均整のとれたまん丸の団子を生み出す美しい所作は、さすが職人技。


⑤指で頭をつまみ出し、尻尾をつまみ、くちばしをつまんで完成。

アウトドア お抹茶 おやつ
稲葉さんが茶碗として愛用しているのはパリの蚤の市で出会ったカフェボウル。肩肘張らず自由に楽しめるのも野点の魅力。