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カルチャーセンターで自由研究のテーマに出合おう。大学顔負けの講座内容も魅力

カルチャーセンターにどんなイメージを持っているだろう。お稽古、習い事的なものを教わる場所?侮るなかれ、実は本格派の講座も多数ある。

Text: Towel Kanai

名だたる大学の
教授に教えを請う

「カルチャーセンター」と聞けば、なんとなく“女性の習い事”を幅広く提供する場というイメージを思い浮かべてしまう。朝日カルチャーセンター新宿教室の横井周子さんにお話を伺ったところ、そのイメージは覆った。

もともと、朝日カルチャーセンター新宿教室は「戦争で学習機会を失われていたり、結婚して子育てしていた女性たちに向けて、あたらしい学びの場を提供する」ことを目的のひとつとして、1974年に創設されたのだという。

現代社会論-大澤真幸ゼミナール
現代社会論-大澤真幸ゼミナール 2021年10月30日より

開校当時の講座内容は、歌をうたったり体を動かしたりと、いわゆるカルチャーセンター的な習い事をはじめ、「戦争とはなんだったのか」「昭和史を振り返る」といった硬派なもの。

また、東京大学名誉教授の社会学者・見田宗介さんが助教授時代に社会学の講座を受け持っているなど、母体が朝日新聞社ということもあって、当初から人文や歴史、思想に関わる講座がラインナップされていたのが特徴的。いまでは老若男女問わず、たくさんの受講者が集まっている。

【電子音楽編】ボンクリ・アカデミー 誰も知らない新しい音楽
【電子音楽編】ボンクリ・アカデミー 誰も知らない新しい音楽 ゲスト・檜垣智也さんの講義より

朝日カルチャーセンターは全国に11の教室があり、講座内容も各教室の担当者が企画している。そのため、面白そうな内容でも自分の住んでいるエリアから遠く離れていれば、通うのは困難だった。それが、コロナ禍で一気にオンライン化が推し進められた結果、いまや多くの講座が全国からオンライン受講可能となった。ちなみに、新宿教室だけでも1300余の講座もあるとか!

そこで、「たとえば、こんなのもあるよ」とか「へー、そんな講座もあるんだ」と思ってもらえそうなものを、担当者の一言コメントを添えてピックアップしてみた。

「資格を取ったり、単位を取ったりではない、ある意味ではピュアな学びの場なんです」と横井さんがおっしゃる通り、カルチャーセンターは「生涯学習」の場であり、それはつまり「大人の自由研究」とも言い換えられる。さあ、興味の赴くまま、あらためて学びの時間を持とう。

硬軟織り交ぜた
幅広い講座15選

1.「翻訳教室 90分一本勝負」
柴田元幸(翻訳家)

「作品の『声』をどう訳すか。名翻訳家による人数限定のスーパーレッスン」

2.「ボンクリ・アカデミー 誰も知らない新しい音楽」
講師:藤倉 大(作曲家)

「ロンドン在住の藤倉さんのオンラインアカデミー。(12月のゲストは世界的音響設計家の豊田泰久さん!)」

3.「高橋源一郎が鳴らす~『ことば』に殺されないために」
講師:高橋源一郎(作家)

「SNSなど、私たちは否定の「ことば」に感染されていないか!源ちゃんが警鐘を鳴らす」

4.「一年でたどるキリスト教絵画の聖人たち」
講師:笹山美栄(西洋美術史家)

「笹山美栄さんのお話がおもしろく、講談師か漫才師か……と評判」

5.「宇宙物理の超入門」シリーズ 7回通し ※途中からでも参加可能。
講師:郡 和範(高エネルギー加速器研究機構准教授)、松村知岳(東京大学KAVLI IPMU 准教授)、真貝寿明(大阪工業大学情報科学部教授)、松本重貴(東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構教授)、千葉 剛(日本大学教授)、成田憲保(東京大学先進科学研究機構教授)、田越秀行(東京大学教授)

「宇宙物理は大人気。このシリーズでは、ブラックホールなど知っているようで知らない宇宙を知るための基本的な用語から解説」

6.「バンクシーは何と闘っているのか」
講師:鈴木沓子(ライター・翻訳家)

「作家に直接、取材経験のある鈴木沓子さんが、最新事情も交えて解説します」

7.「冬の夜長の少し怖いお話『冬物語』」
講師:北村紗衣(武蔵大学准教授)

「ウィリアム・シェイクスピアがキャリア末期に描いた悲喜劇『冬物語』の魅力とは……。さえぼう先生こと、北村紗衣さんが解説」

8.「定点観測新型コロナウイルスと私たちの社会  コロナ禍inアメリカ」
講師:森 達也(映画監督・作家)

「アメリカの聖夜にUSA在住のゲストが、リアルタイムで対談。映画監督・森達也さんと映画評論家・町山智浩さんの感性溢れるトークは必見」

9.「岡本太郎が視た縄文」
講師:石井 匠(国立歴史民俗博物館研究員)

「芸術家・岡本太郎は、縄文土器に何を見出したのか。知られざる太郎の縄文観に迫る」

10.「世界を知る4 政治思想と現代民主主義」
講師:山本 圭(立命館大学准教授)

「〈それって変じゃない?〉という日常の疑問を、ちょっとだけ小難しく考えてみる」。大学で政治思想を学生に教えている山本圭さん。朝カルでも語ります!

11.「江戸川乱歩邸を覗く 蔵書・資料・記録」
講師:石川 巧(立教大学教授)

「メモ魔で蒐集癖のあった乱歩。最新の研究の拠点、旧乱歩邸のセンター長が素顔の乱歩に迫ります!」

12.「建築の日本ものがたり」
講師:倉方俊輔(大阪市立大学准教授)

「初心者にもわかりやすく、かつ建築ファンをうならせる名解説」

13.「現代社会論 大澤真幸ゼミナール」
講師:大澤真幸(社会学者)

「幅広い対象に鋭く切り込む著作を発表する大澤真幸さん。現代社会をいかに論じるべきか、自身の関心のありかを語ります」

14.「戦国時代の城を掘る」
講師:相良英樹(公益財団法人かながわ考古学財団 調査研究員)

「発掘調査からみえてきた、リアルな情報をお届けします」

15.「東京の階段を歩く 上野桜木と上野公園周辺の階段と坂を巡る」
講師:松本泰生(尚美学園大学講師)

「意外と知らない東京の地形や眺望のこと、歩いて感じます」

+α「朝カルアーカイブ」

好きなときに視聴できる
アーカイブサービスもスタート

1.対談『天才の考え方』(加藤一二三×木村草太)

「将棋棋士・加藤一二三さんの名局を振り返りながら、将棋への思い、大棋士との戦いの思い出、将棋界の内外の若い世代へのメッセージを東京都立大学教授・木村草太さんが聞き出します」

2.身体と心を整える食養生(やすらぎの里代表・大沢 剛)

「家で作れる養生食や『プチ断食』、『食べる瞑想』を紹介。食事という行為を改めて見つめ直します」

3.『ムー』編集長が語るロズウェル墜落事件

「緊急現地取材!ムー編集部が採取した機体の破片は地球外物体なのか⁉」