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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:田舎暮らしの魅力を伝えたい

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第210回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「浮気を繰り返す彼。」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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コロナを機に移住をしようと、子供が小学生に上がるタイミングで北関東の山奥に家を買いました。しかし数ヵ月経ち、当初ノリノリだった妻が、やっぱ都会がいいと言いだし、東京のマンションもキープして2拠点生活をすることに。妻に自然いっぱいの田舎も楽しいと思ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。
(デザイナー/45歳/男)

箭内道彦

移住、いいですね。ただ、田舎の魅力は「自然いっぱい」だけでは語れません。大事なのは「食」そして「人」。おいしいものがたくさんある、そしてそれ以上に、人との巡り合いで、人はその土地がもっと好きになる。僕の故郷である福島に「会津の三泣き」という言葉があります。【一泣き】初めて会津に赴任した人はよそ者に対する会津人のとっつきにくさに泣く【二泣き】やがてその情の深さに触れて泣く【三泣き】そして会津を去る時に離れがたく、泣く。ご家族にいい出会いがありますように。

エリイ

田舎で暮らしたことないから、どうやって楽しいと思ってもらうかは私には知る由がない。2拠点生活も良さそう、とは思うがやったことないので分からない。しかし、移住したいとか環境を変えたいという気持ちは分かる。私も引っ越したいなー引っ越しても引っ越しても引っ越したくなる。この間、お伺いしたお家の壁が薄ピンクで素敵でした。子供たちと一緒に家族で塗ったとのこと。それから愛着が湧いて家が自分のものになった感覚があると聞いた。自分で何か参加することをやっていくのはどうですか。田舎ならではの。

大根 仁 

『北の国から』の始まりは両親の離婚で無理やり北海道に連れてこられた純が田舎暮らしに馴染めず「東京に帰りたい!」と策を練る話でした。ようやく帰れることになったのですが、大滝秀治の「お前は負けて逃げるんじゃ」の言葉に留まります。その後の純の波瀾万丈な人生は言うまでもありません。もしあの時そのまま東京に戻っていたら? あなたと奥さんは大人なのでお好きにという言葉しかありませんが、肝心なのは子供をどう育てるかではないでしょうか。まずは家族で『北の国から』を観ることをおすすめします。

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