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日用品図鑑:アートディレクター・新保美沙子が愛用する真鍮スプーンetc.

毎日使う相棒のような日用品には、その人らしさが表れている。デザインユニット〈smbetsmb〉としてパートナーの新保慶太さんと共にアートディレクションを手掛ける新保美沙子さんに、愛用しているカトラリー、テーブル、洗面アイテム、カメラを教えてもらいました。

text: Misaco Shimbo / photo: Keita Shimbo / edit: Mami Wakao

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真鍮スプーン

真鍮スプーン

現代的に昇華したヤクスッカラのような真鍮のスプーンは、鍛金で作られ、さりげなく、品があります。

そのスプーンに出合った時は他に買い求めたものがあったため、欲張らずにまたの機会にと見送ったら、それっきり。6年の歳月が流れ、スプーンに再会しました。その際に大きなスプーンにも出合い、大小セットで大切に使っています。

どちらも石井すみ子さんプロデュースによる、人の手や心によって生み出される手仕事です。

フランスのスキー場で使われていたコーヒーテーブル

レザルクのコーヒーテーブル

長年、フランスのスキー場で使われてきたテーブルが、遠く離れた日本に渡って使われるなどと、建築家は考えもしなかったと思います。

使われる環境に特化した家財特有の制作意図を感じながら、コレクションとしてではなく、日常をハードに使われてきた延長で実用品としての家具本来の使われ方を大切にして使っています。

植物性アセテートのコーム

植物性アセテートのコーム

身支度に使う櫛は長野のみねばりという材から作られた極細の梳き櫛を長年愛用。梳くだけで艶が出る素晴らしい櫛です。しかし年を重ね、乾燥して見えてしまう髪質の変化が。今はオイルやジェルが欠かせなくなりました。

そのヘアセットのためにメンテナンスがしやすい植物性アセテートのコームを取り入れて、毎朝の身支度を少しでも軽やかにしています。

ライカのデジタルカメラとライカの古いレンズ

ライカのデジタルカメラとライカの古いレンズ

カメラは用途に合わせて自分と相性の良いものを選びます。これは、さっと出して撮る、普段使いのカメラ。露出やフォーカスがカメラ任せでは味気ないので、ボディとのバランスで小さめのマニュアルレンズと組み合わせて自分で決めて撮ります。

最新のデジタルカメラではありませんが、アルミのインゴットから削り出された継ぎ目のないユニボディが美しく、シャッターのフィーリングも良いカメラです。

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