都市生活でいきる服。New Balance NB GREY #4

今回のジャケット（STYLING 1）とベスト（STYLING 2）は、ダウンアイテムには珍しく表面がフラットなのが特徴的ですね。一見、中綿が入っているのかなと勘違いしたほどです。

スポーツウェアとライフスタイルウェアの間をゆるやかに繋ぐようなスタイルを提案することが〈NB GREY〉のコンセプトなので、カジュアルなシーンだけでなく、ビジネスを含む日常の幅広い場面に沿うような、洗練されたダウンアイテムを作りたいというのが出発点でした。

表面がキルティングになっていると、どうしてもカジュアルなイメージが強くなります。そのため、それをあえて裏側に配して見た目をすっきりさせることで、ソリッドに仕上げています。

ダウンってスポーティさや機能性に寄せたアイテムが多いイメージなので、洗練された印象に仕上がっていることは稀有だと感じました。ジャケット（STYLING 1）は実際に羽織ってみると、見た目以上に丸く、ボリューム感があるような気がします。

内側のキルトラインをカーブさせていて、あえて丸みのあるシルエットにしています。あとは、背中側の裾のラインが少し下がっていることも特徴です。ユニセックスなので、お尻が隠れることは女性にも嬉しいポイントなのではないかなと。ネック回りはアーカイブに着想を得て、広めの作りになっています。

マットな質感でゆったりとしたシルエット、色味は優しく淡いイメージで、どこかツルッとお豆腐のような淡白な印象がこのアイテムの魅力です。なので今回はその点を引き立たせるべく、あえて同系の淡い配色でまとめてみました。ボトムスは細身すぎるとスポーティな印象に寄ってしまうので、少し太めのシルエットのスウェットパンツを合わせて、新鮮になるように組み合わせています。

すっきりとしたダウンの印象と絶妙な色が主役になった素敵なスタイリングです。

ダウンベスト（STYLING 2）を中心にしたウィメンズのスタイリングも、基本的な考え方は同じ。ベスト自体はユニセックスですが、今回はあえて大きめのメンズサイズのものを着てもらっています。その分、裾のドローコードを少しだけ絞った上で、腰回りから裾にかけてしっかり細身になっていくテーパードのボトムスと合わせることで、女性らしいシルエットになるように意識しました。

合わせていただいたスウェットパンツは、裾リブのフロント部分にスリットが入っていて、シューズのアッパーが自然と見える作りになっています。ニューバランスの顔であるスニーカーとの相性を起点にして生まれた〈NB GREY〉ならではのアイテムの一つなので、スタイリングに取り入れていただけて嬉しいです。

〈NB GREY〉のアイテムは、スポーツウェアのディテールやアーカイブから引用したレトロな要素が盛り込まれていながら、アウトプットがすごくモダンなことが特徴だなと。それは、シルエットやパンツの太さ、リブの幅、色味の塩梅など、一つひとつの要素が考え尽くされていることによるものだと思います。そうした細部の繊細な工夫に目を向け、すくい上げながらスタイリングをすることで、より一層、新鮮で現代的な着こなしを楽しめるのではないでしょうか。