森のサウナ(徳島/神山町)
自然との共生、森作りの一環としてのサウナ
持続可能なライフスタイルを求めて10年前に神山町へ移住した齊藤郁子さんが、2014年にフィンランドを訪ねた際に大自然の中のサウナに出会う。その経験を基に、森と共存するサウナを、4年の間伐(かんばつ)と2年のDIY建設を経て2020年に完成させた。
サウナで生まれた灰を撒くことで植生が豊かに。最近ではフクロウが棲(す)む森へと変わった。サウナは宿の宿泊者優先だが、単体での利用も可能だ。
飛雪の滝キャンプ場(三重/紀宝町)
究極の水風呂⁉大迫力の滝サウナで受け止める自然の力
テントサウナでしっかり熱を抱えた体を、30mの高さから降り注ぐ滝のしぶきで急速に冷やす。その自然の激しさを全身で受け止める快感は、名古屋から車で4時間かけて辿り着く疲労を軽く吹き飛ばすものだ。
キャンプで夜を越した朝には、滝に虹がかかることもあり、その景色とともに味わうサウナも格別!ただし、水量が多い時は滝壺が深くなるので十分に注意を。
HIDEAWAY sunset camp(福岡/糸島市)
野趣あふれるツリーサウナ、夢見るは南国リゾート
福岡・糸島の伝説的野外フェス『サンセットライブ』運営者が手がけるキャンプ場。猛々しい自然を生かしたフィールドの最奥に位置するサウナは、生木で組み上げたお手製。周辺で育ったローズマリーや松葉、ローリエなどを漬けた水でロウリュをすれば、体の奥に眠る野性が目を覚ます。
水風呂代わりの内海は遠浅で、優美な湾曲に見惚れるほど。シークレットビーチを独り占めといこう。
稲積水中鍾乳洞(大分/豊後大野市)
30万年の時が作った神秘世界に、タイムトリップ
地元の中学生によって偶然発見され、現在も調査が続く、日本最長の水中鍾乳洞。30万年の時が形作った神秘の一角で、2021年からサウナを始めるとすぐさま評判に。
最高120℃まで上がるテントサウナで汗を流し、通年16℃に保たれた洞内の水に包まれれば、異次元世界への没入感も増す。ケイ素を含んだ水は、美肌効果もあるとか。1日2組限定だが、人気に応えて来春には拡張予定。
吹上温泉保養センター 白銀荘(北海道/上富良野町)
一度はやってみたい、雪にドボン。“北の聖地”の冬景色
「聖地」と呼ばれる場所がいくつも存在するサウナだが、北の聖地といえばここ。十勝岳中腹、冬には一面が白銀の世界となる北海道ならではの光景。豊かなヒバの香りに包まれるサウナでじっくり汗を流した後には、ドラマ『サ道』にも出てきた憧れの雪面ダイブ!
積もったふかふかの新雪に全身を投げ出し、火照(ほて)った体の熱を雪に移していく感覚は、何にも代えがたいものだ。
御湯神指し ベストパワーランド(長崎/諫早市)
耳元で火花が爆(は)ぜる音がバチバチと聞こえてくる
鬱蒼と生い茂る細い山道をどこまでも登ると見えてくる施設は雰囲気満点。麦飯石(ばくはんせき)を使って造られた、日本に1つしかない本格的ドーム式石室サウナ〈来磊(らいらい)〉(工法特許を取得済み)、通称“いのちのサウナ”は普通のサウナと異なり、室内で焚き火をして暖まるスタイル。
1日3回までなどの厳密なルールがあるが、寝転びながら麻袋の隙間から見る光景は圧巻の一言!
The Hive(富山/立山町)
大地に包まれるような没入感を生む、自然と建築の融合
遠くに立山連峰を望む田園地帯に、2022年の6月、また面白いサウナホテルが誕生した。土の中に半分埋もれたような造りの建物。
サウナではハーブのアロマ水のロウリュを楽しんだ後、地中のインフィニティ水風呂から地平を見上げるというあり得ないような体験が。不思議と自然との一体感が増していき、いつしか至上のととのいの境地に。『サウナシュラン2022』でも10位にランクイン。