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北の〈ラーメン大学〉、南の〈テンホウ〉。 長野の二大ローカル中華店に迫る

長野県の噂の発信地にBRUTUS編集部が迫ります。

Photo: Kenta Sasaki , Shinichi Kanai / Edit & Text: Hiromi Shimada

ラーメン大学(上田市/上田)

こて味噌ラーメンと餃子
写真のこて味噌ラーメン(820円)は一番人気。肉味噌(870円)は昔と変わらぬ歴史を感じる味わい。餃子(320円)は各店で手包み。

「最終学歴はラーメン大学です」というのは、長野県的おやじギャグ。それほど県民に浸透している〈ラーメン大学〉は、もとは全国展開するチェーン店だが、長野県にフランチャイズ店が多くあることから県民のソウルフードのような存在になっている。

誕生のきっかけは、東北信地域でレストランチェーンを営んでいた創業者が東京の親戚を訪ねた際に食べたラーメンの味に感激したこと。長野での展開を働きかけ、1971年に上田市に1号店ができ、一時は県内に60店舗余りあった。醤油ベースで細麺の中華そばが主流の時代に太麺の味噌ラーメンが大人気に。

〈ラーメン大学〉上田バイパス店
信州味噌にこだわり、長野県民に味噌ラーメンを浸透させた“ラー大”唯一の本社直営店。24時までの営業も嬉しい。

テンホウ(諏訪市/諏訪)

テンホウメンと餃子
餃子(280円)の香辛料は秘伝の全6種。県産食材にこだわり、長崎チャンポンにヒントを得たテンホウメン(680円)など広く展開。

一方、中南信地域を軸に展開してきたのが、諏訪発祥の〈みんなのテンホウ〉だ。1956年、時代を見据えた女性創業者が温泉旅館業から業態転換を図り、都内の有名中華料理店で単身修業。秘伝のレシピで地域初の餃子店を開業したのが始まりだ。

地域に根ざした店作りで着々と出店を増やし、今や県内32店舗。“お袋の味”を目指し、土地や客層に応じて店ごとに味加減を変えているのもユニークな特色だ。

〈テンホウ〉諏訪城南店
本店に当たる〈諏訪城南店〉。隣接の〈中華そばてんほう城南店〉は定食に注力し、2店で地域のニーズに対応。