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サインペインターのピーター・リエドベルグの棚。「トレーニングを重ね、表現力を極める作業棚」

写真家や陶芸家など、プロフェッショナルたちの自宅やアトリエの棚には、それぞれの専門分野の真髄が見え隠れする。棚板の素材や寸法にも職種ならではの理由があり、棚に並ぶ多種多様な道具から、創作の軌跡が見えてくることもある。いつもは目を向けられることのない、働くプロの棚を紹介。

photo: Yoichi Nagano / text: Hisashi Ikai / edit: Tami Okano

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トレーニングを重ね、
表現力を極める作業棚

店のサインボードやロゴタイプ、グラフィックデザインを手がける、レターボーイことピーター・リエドベルグさん。都心の雑居ビルの一室にあるアトリエの内装は、インテリアデザイン会社、SLOPEによるもの。機能性を考え、はしご状の支柱にパーティクルボードを載せた棚もデザインしてもらった。棚の上には、エナメル塗料にアクリルウレタン、レザー用インキなど、用途別にさまざまなタイプの塗料が並んでいる。

「最初は紙の上でデザインを考えますが、実際にレタリングを施すのは建物の壁やショーウィンドウから、プロダクトまでと幅広く、素材もコンクリートから木材、金属、ガラスと、多岐にわたります。だから、いつ、どんな場所でもきちんと対応できるように、普段から多種多様な塗料を試しているんです」

塗料の横にはレタリングには関係なさそうな電気工具も見える。

「ガラスボトルに書くときに使うジュエリー用のリューターです。まずはこれで表面を薄く削り、その上をなぞるように筆でインクを乗せていくと、仕上がりがきれいなんです。ちょっとしたタッチの違いや筆の流れで、同じ文字でも違う印象を受けるもの。だからニュアンスを的確に表現するためのトレーニングは欠かせません」

棚からは、リエドベルグさんの日々の試行錯誤の一端が窺える。

デザイナー・ピーター・リエドベルグの自宅の棚
黄色いペンキ缶は、アメリカ製のエナメル塗料《ワンショットペイント》。勉強熱心で、和文の書体帳やパッケージ、古いロゴのサンプルも揃えている。

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