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プロダクトデザイナー・藤城成貴の棚。「模型作りのための、素材と道具の収納庫」

写真家や陶芸家など、プロフェッショナルたちの自宅やアトリエの棚には、それぞれの専門分野の真髄が見え隠れする。棚板の素材や寸法にも職種ならではの理由があり、棚に並ぶ多種多様な道具から、創作の軌跡が見えてくることもある。いつもは目を向けられることのない、働くプロの棚を紹介。

photo: Futoshi Osako / text: Hisashi Ikai / edit: Tami Okano

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模型作りのための
素材と道具の収納庫

プロダクトデザインの模型作りは3Dプリンターを使うのが主流になりつつあるなか、藤城成貴さんは、ほぼ自分の手で製作する。手で作ることがデザインの過程において重要だと考えているからだ。
「特にメーカーからの依頼品の場合、頭に浮かんだアイデアをできるだけ素直に形にしたい。だからまず、自分でできるところまで作ってみるんです」

しかし、模型を作るとなると、大量の資材や道具が必要となる。過去のアイデアスケッチや自作のミニチュア模型も、気に入ったものはすべて手元に残すという藤城さんのアトリエの棚は、まさに、模型作りの収納庫。きちんと整理しておくために活用しているのが、業務用のコンテナボックスだ。

「昨年、東京から長野に引っ越したのですが、自宅と事務所を兼ねているため、作業スペースが以前の半分以下になってしまいました。コンテナボックスは、できる限り省スペースで収納する仕組みとして活用しています」

以前はオープンシェルフにそのまま並べていた道具類もコンテナボックスを活用しながら、より細かく分類。すると創作の姿勢にも少しずつ変化が見え始めた。
「頭の中も整理されたみたいになって、創作意欲が向上。時折外出先で棚を思い浮かべては“あぁ、今すぐ取り出したい”なんて考えちゃうこともあります」

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