Wear

Wear

着る

トロピカル松村、飯田康貴のコーデュロイのマイ・ルール

伝統的な素材ながら、そこにあたたかみのあるコーデュロイは冬の定番アイテム。エディター、〈CRT〉ディレクター・トロピカル松村さんと〈ブラケット〉オーナー・飯田康貴さんに、惚れ込む一着を聞いた。畝(うね)の太さや配色などのマイルールにも迫る。


本記事は、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr. BRUTUS 冬のあたたかい服。2024-25 A/W」(2024年9月17日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

トロピカル松村のマイ・ルール

かつての、日本のレトロスポーツと、プレッピースタイルを体現する

自分のスタイルを一言で表すなら、“全盛期の和製アメカジ”というのがしっくりきます。10代でサーフィンにハマり、それから日本のサーフシーンの黄金期である70~80年代カルチャーの虜(とりこ)になりました。

中でも、コーデュロイのコートやパンツは偉大で、スキーやバードウォッチングなど当時流行りのレジャーを象徴する存在でした。装いは、頭頂部にボンボンが付いた、通称・正ちゃん帽を合わせて懐かしのプレッピースタイルもプラス。70年代に東京・吉祥寺で生まれたスポーティでお坊ちゃん風の〈ザ・ボックス〉のコートを取り入れ、当時の流行りに思いを馳せる。そうしたファッションを通じて自分なりのロマンを追求しています。

The Boxのランチコート
The Box
メルカリやオークションを駆使して、トロ松さんが買い集めている〈ザ・ボックス〉は、1976年に吉祥寺で創業。最盛期は避暑地や百貨店でも取り扱われ、熊をモチーフにした手芸が特徴。トロ松さんが愛用するコーデュロイのランチコートの背中には、登山を楽しむ熊のアップリケなどが施されている。

Coordinated Items

スタイルを完成させる、最後の味つけに

頭にちょこんと被せる超浅めのニットキャップ
今では珍しい、頭にちょこんと被せる超浅めのニットキャップ。1976年に創刊した雑誌『ポパイ』や83年に開園した東京ディズニーランドに関連するグッズのものを愛用。右上は自作。

飯田康貴のマイ・ルール

裾上げして、リペアして、マイヴィンテージを育てていく

普段から、生活のルーティンに馴染む自分なりのワークウェアを探しています。徒歩移動が多く、仕事中は膝をついたりするので、パンツ選びはタフで歩きやすいことが最優先。そういう点で完璧なのが、7分丈に裾上げした〈エッセー〉のコーデュロイパンツです。大股で歩いても膝が突っ張らず、白っぽくフェードするほど穿いても、しっかりとヴィンテージのような風合いになっていきます。

所有する計5本の中で最も長く穿いているものが、この一本。穴が開いた膝は、フレンチヴィンテージのワークパンツを真似て当て布をしました。そうやって手をかけてデニムのようにマイヴィンテージに育っていくのもコーデュロイの魅力です。

〈エッセー〉の中太畝のコー デュロイパンツ
ESSAY
7、8年前に購入した〈エッセー〉の中太畝のコーデュロイパンツ。以来、買い足し続け、今では経年変化の異なる5本を気分で着回している。体形より2回り大きい40インチを選び、7分丈に裾上げし、ウエストを絞って穿くと、飯田さんのいつものサイクリングパンツのようなシルエットが完成する。

Coordinated Items

自分なりの黄金コンビは崩さない

ドイツ軍のパイロットシューズと〈フットワークス〉のモカシンシューズ
左は、〈フットワークス〉のモカシンシューズ、右はドイツ軍のパイロットシューズ。白ソックスとポテッとした黒シューズを合わせる、飯田さんの着こなしの十八番は、コーデュロイパンツでも健在。
集合写真、左から、飯田康貴、トロピカル松村、山田 陽、西野裕人、森田幸生、宮脇 誠
左から、飯田康貴、トロピカル松村、山田 陽、西野裕人、森田幸生、宮脇 誠
GOOD STYLE for Mr.BRUTUS 冬のあたたかい服。2024 A/Wのバナー