西野裕人のマイ・ルール
歴史を重ねた豊かな表情を、ただ生かすだけ
昔から経年変化を楽しめる天然素材が好きで、コーデュロイのあたたかみのある生地の風合いに惹かれてきました。中でも気に入っているのが、1920s‒30sのフレンチヴィンテージのジレ。この時代の服は半生をともにするものだったから、丈夫で贅沢な素材が使用されていて生地に存在感があります。
着用する時は、生地の風合いを思う存分味わうため、ほかは大人しいデザインのものを合わせる。無機質なグレーは使わず、代わりにオートミール色を差すのもこだわりです。すると、コーデュロイがさらに優しい印象に仕上がります。シンプルな服をただ合わせただけに見える装いにも、主役を引き立てるための僕なりの理由があります。

「着る服はできれば人と被りたくない」という西野さんにとってコーデュロイ素材をジレで取り入れるところにこだわりがある。おまけに稀少なフレンチヴィンテージ。古着店で見つけた時から襟や裾の生地は擦り切れ、色は白茶けてボロボロだったそうだが、西野さんには輝いて見えたという。
Coordinated Items
オートミール色を脇役に、主役を引き立てる

山田 陽のマイ・ルール
素材の心地よさを邪魔せず、引き立てるものを選ぶ
僕にとってコーデュロイは、デニムと並ぶくらいワードローブの定番です。ただデニムと一つ違うのは、カジュアルだけど上品に見えること。その塩梅が、年を重ねるごとにより心地よいものになってきました。保温性は抜群なので、暑がりの僕の場合、インナーに〈ヒアネス〉のメリノウールTを合わせれば、東京の冬はへっちゃら。
昔は革靴を合わせていたけど、最近はいつでも動きやすいトレランシューズを合わせるようになりました。これも、自分なりの“心地よさの変化”があってのこと。そうやって人や時代は移り変わるけど、コーデュロイは冬の王者であり続けている。その事実が、揺るがない機能と快適さを証明していると思います。

ランニングが日課の山田さんは、一年を通してこんがりと焼けた肌をしている。そんな自分の肌色には黒が似合うことに気づいたそうで、すり切れるまで穿いた〈エンジニアド ガーメンツ〉の定番パンツの色違いを新調。さらに今季はジャケットも買い足し、セットアップでも単品でも着回している。
Coordinated Items
レース用シューズを日常でも愛用
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