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西野裕人、山田 陽のコーデュロイのマイ・ルール

伝統的な素材ながら、そこにあたたかみのあるコーデュロイは冬の定番アイテム。〈リップラップ〉主宰・西野 裕人さんとフォトグラファー・山田 陽さんに、惚れ込む一着を聞いた。畝(うね)の太さや配色などのマイルールにも迫る。


本記事は、BRUTUS「GOOD STYLE for Mr. BRUTUS 冬のあたたかい服。2024-25 A/W」(2024年9月17日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Go Tanabe / edit: Keiichiro Miyata / props: AWABEES

西野裕人のマイ・ルール

歴史を重ねた豊かな表情を、ただ生かすだけ

昔から経年変化を楽しめる天然素材が好きで、コーデュロイのあたたかみのある生地の風合いに惹かれてきました。中でも気に入っているのが、1920s‒30sのフレンチヴィンテージのジレ。この時代の服は半生をともにするものだったから、丈夫で贅沢な素材が使用されていて生地に存在感があります。

着用する時は、生地の風合いを思う存分味わうため、ほかは大人しいデザインのものを合わせる。無機質なグレーは使わず、代わりにオートミール色を差すのもこだわりです。すると、コーデュロイがさらに優しい印象に仕上がります。シンプルな服をただ合わせただけに見える装いにも、主役を引き立てるための僕なりの理由があります。

フレンチヴィンテージのジレ
1920s-30s French Vintage
「着る服はできれば人と被りたくない」という西野さんにとってコーデュロイ素材をジレで取り入れるところにこだわりがある。おまけに稀少なフレンチヴィンテージ。古着店で見つけた時から襟や裾の生地は擦り切れ、色は白茶けてボロボロだったそうだが、西野さんには輝いて見えたという。

Coordinated Items

オートミール色を脇役に、主役を引き立てる

オートミール色のジャケット、やスウェット
カバーオールやスエット、ワークシャツなど、自身のブランド〈リップラップ〉でもオートミール色のアイテムを多数展開。ジレに限らず、パンツなどでコーデュロイを取り入れる時にも活躍。

山田 陽のマイ・ルール

素材の心地よさを邪魔せず、引き立てるものを選ぶ

僕にとってコーデュロイは、デニムと並ぶくらいワードローブの定番です。ただデニムと一つ違うのは、カジュアルだけど上品に見えること。その塩梅が、年を重ねるごとにより心地よいものになってきました。保温性は抜群なので、暑がりの僕の場合、インナーに〈ヒアネス〉のメリノウールTを合わせれば、東京の冬はへっちゃら。

昔は革靴を合わせていたけど、最近はいつでも動きやすいトレランシューズを合わせるようになりました。これも、自分なりの“心地よさの変化”があってのこと。そうやって人や時代は移り変わるけど、コーデュロイは冬の王者であり続けている。その事実が、揺るがない機能と快適さを証明していると思います。

Engineered Garmentsのセットアップ
Engineered Garments
ランニングが日課の山田さんは、一年を通してこんがりと焼けた肌をしている。そんな自分の肌色には黒が似合うことに気づいたそうで、すり切れるまで穿いた〈エンジニアド ガーメンツ〉の定番パンツの色違いを新調。さらに今季はジャケットも買い足し、セットアップでも単品でも着回している。

Coordinated Items

レース用シューズを日常でも愛用

トミール、ナイキのレース用シューズ
街にも週末のトレイルランニングにも履いていく2足。左は〈ナイキ〉がレース用に開発した《ゼガマ トレイル》右はスペイン発の新アウトドアブランド〈ノーマル〉のシューズ《トミール》。
集合写真、左から、飯田康貴、トロピカル松村、山田 陽、西野裕人、森田幸生、宮脇 誠
左から、飯田康貴、トロピカル松村、山田 陽、西野裕人、森田幸生、宮脇 誠
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