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トラッドといえば、やっぱり英国。スタイリスト・馬場圭介のトラッドスタイルに欠かせない小物って?

ネクタイやグローブ、さらに小さなネクタイピンやカフリンクスまで、トラッドスタイルに欠かせない小物とはどんなものなのか。ブリティッシュトラッドに精通する、スタイリストの馬場圭介さんに聞いてみました。

photo: Shinsaku Yasujima / text & edit: Keiichiro Miyata

格好つけられて便利なものが英国トラッドには揃っている

トラッドっていえば、やはり俺の中では英国。好きなものは昔も今も変わらず、格好良くて便利に使えるもの。たまに街でアウトドアギアを着ている人を見かけるけど、あれじゃあ味気ないよ。雨に備えるならトレンチコートとか、形崩れしにくいロングブリムのフェルトハットとかね。長年ハットは愛用しているけど、小雨くらいなら傘をささなくても平気だよ。楽な服に頼りすぎると、おしゃれとかどうでもよくなっちゃうから。

そう考えると、トラッドな服こそファッションだと思うな。歴史あるイギリスは、伝統ものの宝庫。おまけに、音楽とか時代背景とかとも深く結びついたエネルギッシュなカルチャーも豊富だから、新しい刺激もある。いつの時代も飽きないよね。

1986年に渡英してから、もう40年近くワードローブを更新してきたけど、結局、気に入ったものってそんな頻繁には見つからない。だから、こうやって10年選手の小物が自然と増えていくんだよな。

①自分にぴったりのハットを〈ノルマン〉で製作。
雨に濡れても形崩れしないフェルトがしっかりとしたハットは、約15個所有。今はクラウンが高い〈ノルマン〉のものがスタメン。

②レザー工場が多い英国でお気に入りは〈デンツ〉。
こちらは10年以上愛用。数ある老舗メーカーの中でも、「革が馴染みやすく、自分の手に合う」と、レザーグローブは〈デンツ〉派。

③マフラーは半分に折って、細長く、すっきりと巻く。
シャツやパンツは柄ものを選ばないそう。そこで、タータンチェックのマフラー。着こなしで物足りない時は、さりげないポイントに。

④白いサスペンダーが冬の装いのワンポイント。
冬になると、黒やグレーなどの地味な色が増えるそう。そこでサスペンダーは、コントラストがはっきりとした真っ白が定番。

⑤たまに締めるネクタイは遊び心が欲しくなる。
約15年前に、世界で最も古いショッピングアーケード〈バーリントン・アーケード〉を訪れた時にネクタイ屋で購入したスカル柄。

⑥英国ずくめのカフリンクス。
イギリスの国犬、ブルドッグを象(かたど)ったカフリンクス。ひっくり返すと、台座部分は、ユニオンジャック。とことん英国モチーフずくめ。