Watch

Watch

見る

ソニックマニアでスパークスが観たい!エディター・辛島いづみが選ぶ2022音楽フェス

夏の恒例行事となっていた音楽フェスが突然失われた時、その存在の大きさに気づかされた人も多いのでは。音楽が日々の潤滑油なら、音楽フェスは年一のリラクセーション。さあ、戻ってきた音楽フェスで心ゆくまで。

text: Kaz Yuzawa

辛島いづみが絶対に観たいステージ
SONICMANIA × SPARKS

愛するレジェンド兄弟バンド、
スパークスが観たくてたまらない。

この夏、なにをいちばん観たいかといえば、サマソニの前夜に開催される“ソニマニ”こと『ソニックマニア 2022』である。プライマル・スクリーム(ボビー!)、電気グルーヴ(瀧が悪い!)、コーネリアス(小山田君久しぶり!)などに交じり、我らがスパークスもラインナップにいるからだ。

スパークスをご存じだろうか。チョビ髭でナードなルックスの兄ロン(76歳)と、イケメンボーカルの弟ラッセル(73歳)のメイル兄弟によるアメリカのポップバンド。50年以上のキャリアを持つレジェンドながら、日本ではあまり馴染みがなく、知る人ぞ知る、マニアックでカルトな存在である。

彼らがどんなバンドなのか、一言で説明するのは難しいが、1970年代後半のイギリスの音楽シーンで人気を博し(彼らはアメリカ人だがヨーロッパでのウケが良かった)、以降のニューウェーブバンドに多大なる影響を与えている。ポール・マッカートニーやジョン・レノンも当時の彼らに衝撃を受けたというから面白い。

そして、今年、2022年の春、スパークスマニアのエドガー・ライトが「スパークスとは何者か?」を明らかにするために撮ったドキュメンタリー映画『スパークス・ブラザーズ』と、スパークスが原案と音楽を手がけたレオス・カラックスの異色ミュージカル映画『アネット』が同時期に公開(レオスもまたスパークスの大ファン)。

「え、こんなミュージシャンがいたんだ!」と認識を新たにした人は多いと思うし、実際のステージを観てみたい!という期待が高まりつつあった、はずなのだ。かくいうワタシもファンだと言いつつ、9年ほど前の渋谷クラブクアトロも、5年ほど前の東京キネマ倶楽部も、来日公演をことごとく観逃している。なので、今回こそは観る、ゼッタイ。

実は今春、彼らの映画が立て続けに公開されるタイミングで、某雑誌でオンライン取材をする機会を得た(岡村ちゃんこと岡村靖幸氏との対談を企画。我ながらいいアイデアだったと自画自賛)。そのとき、彼らの映画への「偏愛」を知れたのは収穫だった。もともと彼らは、UCLAで映画を学んだ映画好き。日本映画も大好きで、『男はつらいよ』シリーズ、『座頭市』シリーズ、『子連れ狼』シリーズがお気に入り(そういった日本映画に着目したのはタランティーノより早い)。いわく、「『寅さん』は話が全部一緒なのがいいよね」。そんなわけで。「寅さん」より長い歴史を持つ彼らのライブが楽しみなのだ。

SPARKSのメイル兄弟
photo:Myung Chun