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大阪・旭区〈TRUCK FURNITURE〉音楽の話ができる専門店へ

BGMがひとクセあったり、オーディオ機材が通好みだったり。店内で「これは……」と感じた点と点をたぐり寄せると、音楽好きの店主に出会えることってありませんか?古道具店、インテリアショップ、ギャラリー、骨董品店、フラワーショップ、古着屋と、全国各地の専門店を訪ねて、音と空間の在り方について伺いました。

Photo: Keisuke Fukamizu, Masanori Kaneshita / Text: Neo Iida

仕事の合間の大切な時
音楽と酒にも浸る場所

黄瀬徳彦さんの仕事部屋に置かれた〈ALTEC〉のスピーカー。〈TRUCK〉が20周年を迎えた際、〈Bird〉(カフェ)で行ったイベントのために購入したものだ。

「家具っぽくて、“やる気”が過ぎないのが気に入ったんです。高さを上げたくて脚は自作しました。僕はオーディオのこと、ぜんぜん詳しくないんです。最新技術にもこだわりがない。バーンと強い音より、耳に優しい方が自分の店に合う、と思って購入しました。その機材が持つ雰囲気に惹かれるんです」

家具を見立てるようにオーディオを選んだら、〈MARANTZ〉や〈TANNOY〉といった名機が集まった。〈TRUCK FURNITURE〉や〈Bird〉の店内には、家具と音とが軽やかに寄り添う。そんな風景を愛する、黄瀬さんの音楽体験とは。

「小学校のときはYMOを聴いて、中学や高校ではボブ・マーリー、ボブ・ディラン、ビートルズ。〈TRUCK〉を始める前の20代はブルースばかり聴いていました。マディ・ウォーターズやブラウニー・マギー&サニー・テリーとか、土っぽいブルースが好きで、レコードを集めてブルースバーをやりたい、なんて思った時期もありました」

レコードは〈TRUCK〉製のボックスに収納。最近そこに、エド・シーランが加わった。

「2年前かな、アメリカに行ったときに中1の娘と古いトヨタのピックアップでパーム・スプリングスまでドライブしたんです。道中、彼女のプレイリストを聴いてみたら、ジャスティン・ビーバーを筆頭に知らない曲ばかり。エド・シーランもそこで知りました。のちにジェームス・コーデンの番組『Carpool Karaoke』で、車の中でギターを弾いて楽しそうに歌う彼の姿がすごく良くて、レコードを買ったんです」

大阪〈TRUCK FURNITURE〉店内
オーディオを揃え、酒を置き、となるならば程よい照明をと、芋づる式、なりゆきでできた部屋は夜はバーのように。でも、図面を描いたり請求書を作ったり、れっきとした仕事部屋だ。

純粋に音楽と向き合う黄瀬さん。〈TRUCK〉20周年記念に『GOOD DAY MUSIC』というコンピレーション・アルバムを作ったことも。

「実は最後の『Today Was A Good Day, Too』はシャレで作った曲。YO−KINGさんにアルバムを送ったら“17曲目がいちばん良かった”と言ってもらえて。本当にKINGは優しい人です」

PLAYLIST

1:I Loves You, Porgy / KEITH JARRETT / 『THE MELODY AT NIGHT, WITH YOU』
2:New West / MARK ORTON / 『FOREIGN LEGION』
3:Colours / DONOVAN / 『CATCH THE WIND』
4:I Hope That I Don’t Fall In Love With You / TOM WAITS / 『CLOSING TIME』
5:As Tears Go By / THE ROLLING STONES / 『BIG HITS VOL.1』
6:The Three Of Us / BEN HARPER / 『WELCOME TO THE CRUEL WORLD』
7:Englishman In New York / 羊毛とおはな / 『LIVE IN LIVING ’07』
8:Show Biz Kids / RICKIE LEE JONES / 『IT’S LIKE THIS』
9:Azule / TOMMY GUERRERO / 『LOOSE GROOVES AND BASTARD BLUES』
10:Cantaloop(Flip Fantasia) / US3 / 『HAND ON THE TORCH』