Visit

キュレーションに定評あり!ソウルのミュージアム&ギャラリー6軒

世界のトップアーティストの作品が楽しめる美術館や作品はもちろんのこと、建築自体が体験になるアートスペース、若手のエマージングな作品を扱うギャラリー等。ソウルには、大小様々なアートスペースがあり精力的な活動を行っている。好きな作家を見たり、韓国の作家を発掘したり、まだ知らないアートの世界へと飛び込もう。

photo: Kazuharu Igarashi / text: Keiko Kamijo, Rumiko Ose(Audio Visual Pavilion) / coordination: Chiharu Fujimoto(TANO International)

建築と現代アートの融合を目の当たりにする

SONGEUN

江南(カンナム)の島山大路(トサンデロ)に三角形の圧倒的な存在感を放つ建物がある。2021年にオープンしたソンウン芸術文化財団の複合文化スペース〈SONGEUN〉だ。

設計は、ロンドンの〈テート・モダン〉や東京の〈プラダ青山〉等、アーティスティックな建築を生み出すスイスのヘルツォーク&ド・ムーロン。ソンウン(松隠)の名にちなみ、重厚な外壁にはマツの木目パターンが刻まれ、目や手でテクスチャーが楽しめる。

SONGEUN
どこから見ても美しいフォルム。異彩を放つ建物から文化が世界へ発信される。

この空間でしか見られない大規模な展示

AMOREPACIFIC MUSEUM OF ART

龍山に本社を構える化粧品会社のアモーレパシフィックが2018年に新本社を建設した際に、設置されたアートスペース。同館では主に創業者のソ・ソンファンが収集した美術品を展示していたが、リニューアルを機に国内外の伝統美術や現代アートの収集・研究・展示を行う施設へと変貌を遂げた。

年2回、伝統美術と国際的なアーティストによる現代美術の企画展を開催。一方で若手の育成にも力を入れる。空間の広さを生かした大規模なインスタレーションと質の高い企画展示は、毎回目が離せない。

作家と対話して生まれた作品たち

Audio Visual Pavilion

2013年から19年、ソウル・鍾路区(チョンノグ)の韓屋で展示スペース〈視聴閣〉を運営。その後、20年4月に展示だけでなくリサーチや研究も行う〈視聴閣ラボ〉を移転オープン。

ここでは、展示のプロセス自体も作品の一部。キュレーターおよび作家との密な対話を重ねながら、その記録も丁寧にすくい取り雑誌というメディアでも発信、新たな表現へとつなげていくのもギャラリーの特徴といえる。実験精神溢れる試みと表現を堪能したい。

ヒョン・シウォンさん
韓国内各地で展示を企画し、視覚文化の研究者としても活動するオーナー、ヒョン・シウォンさん。

独自の視点で現代アートを世界に発信

CYLINDER TWO

ソウルで面白いギャラリーは?と尋ねると、現代アート関係者から必ず聞くのが〈CYLINDER〉。美術大学出身のノ・ドゥヨンさんが、2020年に冠岳区で美大生のグループ展などを行うオルタナティブスペース〈ONE〉を、23年に現代アート作品のギャラリー〈TWO〉をオープンし、2つを運営。

韓国の若手から世界のアーティストまで、彼が関心を寄せる作家を年齢や国籍に関係なく紹介している。定期的にチェックしたい。

代表のノ・ドゥヨンさん
代表のノ・ドゥヨンさん。

写真の未来を切り開く若い才能を発掘

FLOOR_

延禧洞の住宅街の一角にある写真専門のギャラリー。地下と1階、2階の各フロアを異なる機能を持たせた空間にしたいという意味を込めて、ギャラリー名の最後に「_」をつけた。

年間7〜8本ほど写真や映像の企画展を行っており、参加作家はすべて公募で選出。審査は匿名アーティストチームで担当する。また、年に1回の公募展で若い才能を支援したり、写真集の出版の相談なども行う。未来の写真界を担う才能に出会えるかも。

韓国の現代アートの“今”に触れる

Whistle

海外でアートを学びソウルのギャラリーで経験を積んだイ・ギョンミンさんが2017年にオープン。2棟の建物が地下でつながっている建物のリノベーションを手がけたのは商業施設を多く手がける〈Chak Chak Studio〉。

年間5〜6回の企画展では、韓国の若手作家を中心に、世界の注目すべきアーティストを紹介。作家と対話しながら制作を行う。洞窟を分け入るように展示室で作品と巡り合う。空間も含めて作品世界を体験できる。