星座が帯びる、自然界の性質とは?
万物はすべて火・土・風・水という4元素からできている。これは、古代ギリシアで生まれた考え方。西洋占星術もこれを取り入れていて、元素を「エレメント」と呼ぶ。
「エレメントは、理性や判断、思考法の傾向を示しています。12星座は3つずつ4つのエレメントに分けられ、それぞれが同じ性質を持つ“チーム”と言えるのです」(湊さん)
火、土、風、そして水。自然の要素に準えて生まれたカテゴリーは、火なら積極的、土なら現実主義、風は論理的、水は情緒的などといった性質を持っている。エレメントごとに分けた12星座はこちら。
火=牡羊座・獅子座・射手座
土=牡牛座・乙女座・山羊座
風=双子座・天秤座・水瓶座
水=蟹座・蠍座・魚座
周辺環境と物件、転居の2大ポイントを太陽星座と月星座のエレメントで見る
住む場所は、自分の在り方と密接に関わるもの。世界を構成する4つのエレメントのうち、自分の星座がどれに属しているかで、引っ越すと良い場所も変わるのだ。ただ、普段「私は〇〇座」という星座、つまり週報でチェックする星座は、生まれたときに太陽が位置していた星座(エリア)を示すもの。これを「太陽星座」と呼ぶが、これだけでは、引っ越しという人生イベントの全ての面を考えることはできないそう。
「太陽という天体は、社会での立場や理想の自分像を表します。これ対して、素の自分やプライベートの過ごし方を示すのが、月星座。生まれたときに月が位置していた星座のことです。
引っ越しに関して言うと、家の外側、つまり社会と繋がる要素である立地や周辺環境を占うのは太陽星座。仕事を含めた社会的生活に関わる運を開くには、太陽星座のエレメントに合った環境を探しましょう。そうすると在宅で仕事をするときも集中しやすくなり、成果を上げられます。いっぽう、私的な空間となる家の中や物件自体のことは、月星座が示してくれます。オフの時間をどれほど居心地を良くできるか、どんな家なら体と心を休めることができるのか。これは、月星座の属するエレメントからわかります。
太陽星座のエレメントに合致した家に住むと、自己実現に近づきます。月星座に合わせると、心身の回復が促される。ただ、両方のエレメントに気を配らなければ、エネルギー切れを起こしやすくなってしまいます。社会生活(太陽)とプライベート(月)、どちらがより重要ということはなく、どちらもバランス良く充実させたいですよね」
大事にしたいポイントがいろいろ出てくるのが住まい探し。理想を全て叶える引っ越しは難しいかもしれないけれど、自分のエレメントが求める条件はクリアしたい。優先順位を整理し、しっくりくる新居に出合うために、星の声を聞いてみよう。
周辺環境の選び方を太陽星座で見る
燦々と輝く太陽は、世の中でどんな存在でいたいかを示す。太陽星座のエレメントによって、社会的自己の理想のかたちが見えるのだ。そのため、住まいの“外側”の要素である立地や周辺環境が関わってくる。4つのエレメントごとの引っ越しポイントはこちら。
太陽星座が火(牡羊座・獅子座・射手座)
通勤が楽か、仕事がしやすいか

「活動的な火のエレメントに太陽を持つ人は、はっきりとした目的意識を持って行動します。引っ越しも例外ではありません。そしてその目的はたいてい、仕事。そのため、職場への通いやすさがまず大事になってきます。毎日決まったオフィスに行くのでなくても、交通の便が良く、身軽に移動できるところを選びましょう。フットワークの軽さを保つことで、仕事もがんばれます」
何よりも立地を重視することで、仕事でもどんどん活躍できそう。駅近や、複数駅が最寄りの物件も良いし、都心や中心街に住むのも性に合っている。ふと閃いたときにすぐに行動に移せる。出張が多い人は、新幹線停車駅や空港へのアクセスが楽なところを探してみよう。さらに、湊さんから家選びについてもう一つアドバイスがある。
「もっと活躍したい、ステップアップしたいと思うなら、引っ越しを考えるといいかもしれません。太陽が火のエレメントの人は、現状より少し背伸びした場所に住むことで、そこに見合う自分になろうと働きます。それが結果、仕事運を引き上げるんです」
太陽星座が土(牡牛座・乙女座・山羊座)
生活面で便利か、自然があるか

土のエレメントは、大地のように穏やかで、日常に根ざした感覚を持っている。ここに太陽を持っているなら、日々の生活が豊かになるエリアを選びたい。
「近所にコンビニや薬局、クリーニング店など日常を支えるお店が揃っているところに住むと快適に暮らせるでしょう。駅から離れているといったアクセスの難点はあまり気にならないタイプ。迷ったら、その町に住むイメージが簡単につくかどうか、思い描いてみてください。よほど気に入った物件があれば別ですが、地域の雰囲気や生活レベルが自分に合っていることも大事です」
また、近所に緑があるかも、土のエレメントにとっては重要ポイント。
「植物は大地に育まれるもの。太陽星座が土エレメントの人は、公園など自然に触れられるスポットが生活圏にあると落ち着きます。ただ、このタイプはあまり頻繁に転居しない方が良いでしょう。ライフステージの変化に伴って引っ越し、その分慎重に決断していくスタイルです。こだわりすぎてしまうときもありますが、先々を見据えて新たなホームタウンを見つけられるのが土のエレメントの特徴です。
今の環境を窮屈に感じたら、ステージアップのサイン。根の詰まった観葉植物の植え替えをするように、引っ越しをする必要があります。愛着を手放し、新たな環境に飛び込むことで運が開けるでしょう」
太陽星座が風(双子座・天秤座・水瓶座)
好奇心が刺激されるか、話題になるか

風のエレメントが大事にするのは、風のように駆け抜ける情報や、人との交流。ここに太陽星座を持つ人は、カルチャースポットが近所にあると運が開けていく。
「ちょっと変わった古書店や、図書館、映画館など、知的好奇心を刺激する場所が身近にあると、自分らしく暮らせます。いろいろなことに興味を持ち、知識欲も強いタイプなので、新しいものやことに触れやすい町が良いでしょう」
おもしろい人と出会い、交流するのも、風のエレメントにとっては生活の欠かせない要素。
「このエリアにこういう業種の人が多いから……といった視点で選ぶのも悪くありません。たとえば中野や下北沢など、エリアの“キャラ”がついているところもおすすめです。風のエレメントは社交を楽しむので、そこに住んでいるという事実だけでトークがどんどん広がっていくような場所に住むのが理想。きちんと計画を立てて引越し、そこに決めた理由を聞かれてもしっかり答えられるようにすると吉。また、もともとフットワークが軽いため、その時々に付き合いを深めたいコミュニティに合わせてパッと引っ越すのも楽しいでしょう。
もし引っ越しをためらうならば、それは人生の風通しが悪くなっているからかもしれません。行ったことのない町や興味のある町に出向いて、新風を感じてください。きっと閃きに恵まれるでしょう。」
太陽星座が水(蟹座・蠍座・魚座)
安心できるか、親しい人が近くに住んでいるか

全てを受け止める海を思わせる水エレメント。住まいでは「安心」を最優先するのが良いという。
「水のエレメントに太陽がある人は、心が凪の状態で過ごせる環境で運が巡ります。いわゆる治安の良い、閑静なエリアが向いています。くつろげる場所があることも大事で、生活圏でお気に入りの店をつくれそうかも見てみましょう。親しい友人の近所に越すのもおすすめです。知らない町で暮らす不安がなくなります」
交番がそばにある、夜道も明るく人通りもある、はたまたハザードマップ上でも災害の心配が少ないなど、とにかく安心・安全できるかが大事。
「ただ、このタイプの人は、『セキュリティをお金で買う』ことになりがち。予算を超えた家賃の部屋を借りてしまうかもしれません。また、その時々の気分で動くのも水のエレメントの特徴。「なんとなく」で引っ越しを決めることは悪いことではありませんが、ネガティブな気持ちのときは避けましょう。転居先までそのムードを引っ張ってしまいます。
それとは反対に、前向きな気持ちや嬉しい出来事がきっかけでの引越しは大吉。そのときの喜びと思い出を胸に、さらに活躍できるでしょう」
物件の選び方を月星座で見る
やさしく夜空を照らす月は、自分の素顔を表す。月星座のエレメントによって、心地よいパーソナルスペースのつくり方もさまざま。だから、引っ越しでは間取りなど住まい自体の条件に関わってくる。4つのエレメントごとの引っ越しポイントはこちら。
月星座が火(牡羊座・獅子座・射手座)
趣味や仕事の空間をつくれるか、利便性があるか

「火のエレメントは、めらめらと燃える火のごとく、熱くまっすぐな性質です。月をここに持つ人は、プライベートでも目的を大事にして過ごしていきます。引っ越しでは、『テレワークに集中したい』『趣味の時間を充実させたい』など、自分が重視するアクティビティに打ち込みやすい家選びをします」
書斎がある、ゲームに集中できる小部屋があるなど、やりたいことにだけに没頭できる住環境でこそ、運を開いていくことができる。目的に合致した生活をしたいという意味で、利便性を重視。24時間出入りできるゴミ捨て場や宅配ボックスがついたマンションもおすすめだ。
「結局意識が外側に向くタイプなので、内装やインテリア要素へのこだわりは少ない方かもしれません。『住めば都』のマインドで、住み心地の部分は気にしすぎずにパッと引っ越せるのも火のエレメントならでは。家具などはあとから揃えていくのが良いでしょう。また、日当たりの良い部屋を選ぶと、いきいきと過ごせます」
月星座が土(牡牛座・乙女座・山羊座)
リラックスできるか、温かみがあるか

どこまでも広がる大地のように、おおらかな土のエレメント。月星座が土のエレメントにある人にとっていちばん大事なのは、落ち着いて暮らせること。
「リラックスできるかどうかで物件を判断しましょう。眺めが良い、天井が高いなど、いろいろな要素がありますが、そこでゆったり過ごせることが大事。お気に入りの家具がフィットする広さかどうかも気にすると良いでしょう。
また、日々の生活の豊かさに重点を置くエレメントなので、設備が充実しているところを選びましょう。お風呂が高機能、収納棚付きウォークインクローゼットがある、など。
とくに、キッチン周りを重視すること。土のエレメントは農業に繋がっていて、食を大事にすることで運が開きます。広いカウンターキッチンでコンロの数も多いところや、細々した収納スペースがあるような部屋を探しましょう」
さらに、自然を感じる内装もおすすめ。
「漆喰や木材などの天然素材に囲まれることで、土のエレメントらしさが強まります。作り手のこだわりや手仕事が見える部屋がしっくりくるはず」
月星座が風(双子座・天秤座・水瓶座)
最新設備があるか、風通しが良いか

「風のエレメントの場合、内見のときにまずコンセントの配置をチェックしてみましょう。流行やテクノロジーに明るいこのタイプには、自分の置きたい家電が置け、ガジェットの配線も楽にできる家がおすすめ。新築や築浅の物件のほうが住み心地良く感じるでしょう」
ロボット掃除機の充電スポットが考慮されていたり、スマートスピーカーを繋ぐのにちょうど良い場所があったり。風のようにフットワークが軽やかでいたいので、アプリで遠隔操作できる宅配ボックスのような設備も嬉しい。
「内装に関しては、クールな雰囲気が良く、コンクリート打ちっぱなしの部屋で落ち着いて過ごせるタイプです。生活感をあまり出したくないので、収納がたくさんある物件にも惹かれるでしょうが、実際使いこなせるかは別。大きめの納戸など、1カ所に荷物をまとめられる場所があると整理もしやすいでしょう。急に人が訪ねてきても、サッと物を隠せるスペースがあると気持ちの余裕が生まれます。また、風通しが良いと運気も良く巡るので、二面に窓があって空気の入れ替えがスムーズな家や、風を感じる高層階もおすすめ。気持ち良く暮らせるでしょう」
月星座が水(蟹座・蠍座・魚座)
水回りがきれいか、防音・防犯がしっかりしているか

「水のエレメントの人にとって、やはり水回りはとても重要です。新築でなくても、洗面所やお風呂場、台所のシンクがきれいで手入れしやすいところが良いでしょう。そして、ジメジメしていないかが大事。湿気がこもりやすい家に住むと、気持ちも運気も下がってしまいます」
さらに、水のエレメントの月星座を持つ人は、使い勝手やデザインよりも「安心・安全」を優先すると良いという。
「デザイン性の高い、心ときめく運命の物件に出会えたとしても、まずは安全性重視で。繊細なタイプなので、“脅威“のない家を選びましょう。オートロックや防犯カメラが設置されている物件も良いですし、不動産屋さんや大家さんが親切でトラブル時にすぐ対応してくれそうかどうかを基準にするのもあり。同フロアや近所の方と繋がりを持てると、それも安心材料になります。団地などコミュニティがあるところもおすすめです」
ただ、近隣の生活音を他のどのエレメントよりも気にしてしまうので、防音性の高さも重視したい。
「自分側の音が聞こえているのでは、という点も心配しがち。そのため、壁がある程度厚い物件や、マンションなら階段やエレベーターから離れた部屋が向いています。心穏やかに過ごせる空間。水のエレメントの住まい選びでは、それが何よりも大事な条件です」