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あの人の、いつもの朝ごはん Vol.2 藤岡弘、奥村忍、村山由佳

朝ごはんは家族と一緒に。好きなものを好きなだけ食べる。お気に入りの店で至福のひとときを過ごす。和食に洋食、朝パフェ、朝ラー、朝カレー。過ごし方も違えば、食べるものも違う。だけどみんな等しく、朝食が大好きなんです。

Photo: Satoko Tsuyuki / Text: Naoto Matsumura , Emi Fukushima, Ai Sakamoto

いつもの朝ごはん。

藤岡弘

自然のあらゆるパワーをいただく
伝統の朝食

藤岡家の朝ごはんは至ってシンプル。昔から日本中で当たり前に食べられてきた食材が並びます。伝統を守らなければその国のアイデンティティを喪失し、誇りを失ってしまうと私は考えています。

食べるものは日によって異なりますが、必ず10品以上をとり、一生を戦い抜くために必要な基礎体力、免疫力を食から身につけるようにしています。これは文武両道、伝統を重んじる父母からの教えでした。海のもの、山のもの、根のもの、葉のもの、あらゆる自然の食材を朝に取り入れることで、大地から氣をもらうことができ、体が喜び、活力を得て、心も優しくなる。

また、家族でキャンプに出かけた時なんかは、その場所で採れる山菜や魚で味噌汁や雑炊を作ったりもします。食べる量を増やすための数ではありません。自然のものをできる限り多く取り入れるのが大切で、子供たちにも同じように伝えています。そんな朝ごはんの伝承からか、藤岡家は代々長寿。80歳以上は当たり前で、100歳越えもゴロゴロいるんですよ。

普遍的な日本の食事を10品以上用意
普遍的な日本の食事を10品以上用意。
食卓はいつも家族で囲む。この日は海のものが多く、もずく、イワシ、じゃこ天、雑穀米、納豆、豆腐、サラダ、パイナップル、グレープフルーツの生搾りジュースなど。

奥村忍

中国出張の朝は
爽やかな麺で目覚める

年に5、6回ほど、中国の貴州省に民芸品の買い付けに行くのですが、移動の要所にする省都・貴陽で必ず食べる朝食が「豆花面」。豆乳スープの中に浸った平打ち麺とおぼろ豆腐を、具だくさんの辛いタレにつけて食べるソウルフードで、いつもは朝7時頃に街の食堂で食べ、その足で郊外へ仕入れに向かいます。

通りしなに食べている人を見かけて、直感的に「ああ、旨そう」と心惹かれたことがきっかけ。辛いものは苦手ですが、生のミントをぶっかけて食べるのが新鮮で、清涼感にハマりました。1杯百数十円とかなり安く、貴州独特の調味料がふんだんに使われた面白い一品なので、日本に進出したらきっと流行ると思います!

作法も自分流で楽しむ豆花面
作法も自分流で楽しむ豆花面。
地元では真っ赤なタレをすべて豆乳スープへ流し込む人も多いが、その後の長時間移動を見据え、麺や豆腐をタレにくぐらせ辛さを調節しながら食すのが奥村さん流。

村山由佳

淹れたてのコーヒーから始まる一日

以前は夜型でしたが、最近はすっかり早寝早起きになりました。朝7時頃に目を覚まし、メールの返事をしたり、猫たちの様子を見ながら庭仕事などで体を動かした後、10時過ぎにブランチを。中学1年の夏に朝食抜きで登校し、全校生徒の前で貧血を起こして倒れるという恥ずかしい思いをして以来、朝は必ず食べ物を口にするようにしています。

朝食は気分次第で4〜5パターンほどのローテーション。基本はベーコンと目玉焼き、トーストにサラダ。軽く済ませたい日はコーンフレークに果物やヨーグルトを添えて。あるいは少し手間をかけてサンドイッチやフレンチトーストに。旅館みたいな和食もたまにあります。いずれの場合も、欠かせないのは淹れたてのコーヒー。朝ごはんがしみじみおいしく幸せだと感じられるうちは、何があっても大丈夫と思えます。