井上陽水の名曲をKing Gnuが歌う⁉
トリビュートは組み合わせの妙が聴きどころ
名曲たちをアップデートした傑作アルバム
大物アーティストや作詞家・作曲家を敬愛するアーティストが一堂に会し、愛の込められたカバーを披露するトリビュート盤。
ユーミンのトリビュート盤でスピッツが「14番目の月」を歌っていたり、意外な影響を知ることができたりするのも面白い。
またプロデューサーの手腕次第で、思わぬ傑作が生まれることもある。『風街に連れてって!』のプロデュースを担当した亀田誠治は女優・池田エライザを起用。
薬師丸ひろ子の曲を全く違うアプローチで再生させ、今の聴き手に響くカバーに仕上げている。トリビュート盤は、世代間をつなぐ役割も担っているのだ。
『風街に連れてって!』
![松本隆『風街に連れてって!』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/04/006d9753c14e63f5fe465ab3ed19c4b1.jpg)
松本氏の「風街ソング」をおのおのが新解釈でカバー。池田エライザが独特のウィスパーボイスで歌う「Woman“Wの悲劇”より」は妖艶さも漂い、この曲に新たな生命を吹き込んだ。2021年。
『Queen's Fellows yuming 30th anniversary cover album』
![松任谷由実『Queen's Fellows yuming 30th anniversary cover album』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/04/11cdf43842c4dcc450e661438dca40cd.jpg)
ユーミンデビュー30周年記念盤。スピッツ、陽水、原田知世などが並ぶ中、1999年に椎名林檎がカバーした「翳りゆく部屋」も再録。パンクでもあり絶品。2002年。
『言葉にできない 〜小田和正ベストカバーズ〜』
![小田和正『言葉にできない ~小田和正ベストカバーズ~』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/04/4e7f9b1133629b81f472c71e16c733c4.jpg)
槇原敬之、矢野顕子、鈴木雅之ら豪華メンバーが歌う小田ワールド。ヒット曲に偏らず「僕等の時代」などオフコース時代の隠れた名曲もチョイス。2011年。
『なかにし礼と12人の女優たち』
![なかにし礼『なかにし礼と12人の女優たち』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/04/cd7353871105dcc073bc3c2c7038dbd6.jpg)
12人の女優に自作を歌わせ、自分で自分のトリビュート盤をプロデュース。そんなことができるのはなかにし氏だけ。大竹しのぶが熱唱する「人形の家」など、選曲と人選が絶妙。2015年。
『井上陽水トリビュート』
![井上陽水『井上陽水トリビュート』](https://brutus.jp/wp-content/uploads/2022/04/adc1c6d82dd5feaa3e986945d8372dc8.jpg)
陽水デビュー50周年を記念し、King Gnuから細野晴臣まで新旧15組が陽水作品をカバー。本家の歌唱力も半端ないが、宇多田ヒカルが歌う「少年時代」はエバーグリーンな名曲をより純化。2019年。