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ムン・サンフンにとってのソウルの正解。会話を楽しみながらナチュラルワインを嗜むビストロ〈PER〉

アートギャラリーに、ナチュラルワイン、ミュージックバー、独立系書店まで。ソウルの“今”の正解を知るコメディアン、俳優・ムン・サンフンがBRUTUSだけに教えてくれた、とっておきのスポットへ。

本記事は、BRUTUS「韓国の今を誰も知らない!」(2025年4月15日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Kazufumi Shimoyashiki / text: Keiko Kamijo / coordination: Hyojeong Choi

体が大きいので帽子を被ってもサングラスをしても姿がバレてしまい、なかなか気楽に外食を楽しむ機会がありません。でも、乙支路(ウルチロ)のエリアは、古くからあるビルが多いなか、面白い店を営む若い人たちが多いので気に入っています。3~4年前にナチュラルワインのビストロ〈PER〉を知ってから、さらに通うのが楽しみになりました。

それまでは、ソジュ(焼酎)やハイボールをグビグビと一気飲みするような若い飲み方だったのですが、この店で店主から生産者や産地の話を聞きながらゆっくりと楽しむナチュラルワインの深みにハマってしまいました。気分がいい日に開けるのは、矢印のラベルが特徴の「serragghia - zibibbo bianco」。友達とワインについて話しながら飲みますが、土の味がする、香水の香りがする、といったように、人によって感じ方が全然違うのが面白い。

食事中にも人の飲み方や、店員さんの振る舞いを、つい観察してしまいます(笑)。僕が『BDNS』の脚本を書く時は、一般的に知られているけれど、あまり世間的に注目されていない人の個性的な部分を表現します。普段から無意識にしている人間観察は、演技をする時にも生かされているのだと思う。東京のナチュラルワインバーにも行ってみたいです。

コメディアン、俳優・ムン・サンフン
カラフルな内装の店内には常時約350種類のナチュラルワインがストックされている。

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