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モードな虫図鑑。日本における昆虫界のスーパースターといえば!クワガタムシ5種類を紹介

ギラギラ、トゲトゲ、モジャモジャ……。なにゆえに自然の摂理とやらは、こんなにも珍妙なデザインの昆虫たちを生み出したのか。人知を超えた造形美を、まずはとくとご覧あれ!標本制作/福井敬貴

Photo: Tetsuya Ito / Text: Shogo Kawabata / Special thanks: Keiki Fukui

Stag Beetle(クワガタムシ)とは?

人気の昆虫として、カブトムシと並び称されることが多いが、こと大人の愛好家の数でいうとクワガタの方が圧倒的に多い。大型サイズや顎の極太個体を競い合ってブリードする独自の文化もおおいに盛り上がっている。今回は、比較的小型ながら、いぶし銀の魅力を放つ種を中心に選んでみた。

プリモスマルガタクワガタ
Colophon primosi

プリモスマルガタクワガタ(Colophon primosi)
南アフリカのテーブルマウンテンにのみ生息。オレンジの扁平な顎と脚が特徴的である。翅は退化し、飛ぶことができない。マルガタクワガタ属はすべて絶滅危惧種として保護されている。標本体長25㎜。

ホラサビクワガタ
Foraminis perforatus

ホラサビクワガタ(Foraminis perforatus)
全身が毛に覆われ、錆びているように見えるサビクワガタ。大顎のほかに、頭角も生える変わった種で、1属1種。大顎は左右非対称となっている。マレーシア産。標本体長28.5㎜。

ウェストウッディオオシカクワガタ
Rhaetus westwoodi

ウェストウッディオオシカクワガタ(Rhaetus westwoodi)
クワガタムシ界のスーパースター。大顎は鋭く、大きく上下に湾曲しながら伸び、鹿の角のように立体的に分岐する。漆塗りのような黒い体色も非常に美しい。インド産。標本体長90.4㎜。

ギガンテウスシワバネクワガタ
Sphaenognathus giganteus

ギガンテウスシワバネクワガタ(Sphaenognathus giganteus)
南米に分布するシワバネクワガタの一種。一般的なクワガタとはやや趣が異なり、全身は白い毛に覆われ、脚も長く、クモのような妖しい雰囲気がある。写真は特に体の青みの強い個体。標本体長81㎜。

ケファロテスツヤクワガタ
Odontolabis cephalotes

ケファロテスツヤクワガタ(Odontolabis cephalotes)
ボルネオ島とスマトラ島に分布する小型ツヤクワガタ。鞘翅に特徴的なストライプ模様が入る。模様を作る短い毛は、とても脆く、剥がれやすいため、キレイに残っている標本は珍しい。標本体長39.5㎜。

撮影協力/飯島和彦