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モードな虫図鑑。異形の角を持つ、フンコロガシの仲間たち。フンチュウ6種類を紹介

ギラギラ、トゲトゲ、モジャモジャ……。なにゆえに自然の摂理とやらは、こんなにも珍妙なデザインの昆虫たちを生み出したのか。人知を超えた造形美を、まずはとくとご覧あれ! 標本制作/福井敬貴

Photo: Tetsuya Ito / Text: Shogo Kawabata

Dung Beetle(フンチュウ)とは?

フンコロガシに代表される糞を食べるコガネムシ。中には腐肉や菌類などを食べるものも。カブトムシと見紛うような大きな角を持つ種も多く、寸詰まりの体と短い足に、立派な角というビザールなフォルムが愛らしい。今回は、美しい金属光沢をまとうニジダイコクコガネの仲間を中心に紹介。

エンシフェルオオニジダイコク
Coprophanaeus ensifer

「エンシフェルオオニジダイコク(Coprophanaeus ensifer)」
ブラジルに分布するニジダイコクコガネの最大種。成虫は腐肉に集まるといわれるが、その詳しい生態はわかっていない。写真の標本は、113年前に採集されたオールドコレクション。標本体長51.8㎜。

ファナエウス レコウルティ
Phanaeus lecourti

「ファナエウス レコウルティ(Phanaeus lecourti)」
ペルーに分布し、扁平状に発達した胸角は、鋳物のような質感が特徴。きらびやかなニジダイコクコガネの中において、青黒い光沢をまとう、いぶし銀のカッコよさを持つ種。標本体長21.5㎜。

デーモンニジダイコク
Phanaeus demon

「デーモンニジダイコク(Phanaeus demon)」
その学名の通り、まるで悪魔のようないかついフォルムが特徴。こちらはニカラグアで採集されたものだが、メキシコに分布するものとは光沢の色味が異なるほか、個体変異の赤味が強いものもいる。標本体長21.4㎜。

ビスピヌスニジダイコク
Phanaeus bispinus

「ビスピヌスニジダイコク(Phanaeus bispinus)」
ペルーに分布するニジダイコクコガネの仲間。角というと、根元は太く、先に行くに連れて尖っていく形状が普通だが、本種は、根元から先端までほぼ同じ太さの棒のような特徴的な角が生える。標本体長20㎜。

ミマスニジダイコク
Diabroctis mimas

「ミマスニジダイコク(Diabroctis mimas)」
中南米に広く分布するニジダイコクコガネの仲間。扁平な胸角の根元から大きくえぐれ、その凹み箇所だけがまばゆい金属光沢をまとっている。角には独特の鋳物のような質感もある。標本体長36.5㎜。

ハネナシタマオシコガネ
Pachysoma rotundigena

「ハネナシタマオシコガネ(Pachysoma rotundigena)」
ナミビアの固有種で、翅(はね)が癒着している飛べないフンコロガシ。毛深い脚は砂漠の上でも沈まないようにするため。4本脚が地面に接していない瞬間があるギャロップ走行のような歩き方をする。標本体長23.6㎜。