大国様の奥様である紅白の小法師
鹿児島県の郷土玩具「オッのコンボ」は、島津藩の藩政時代から伝わる伝統的な紙人形です。そのユニークな名前は、鹿児島弁の「起き上がり小法師(こぼし)」に由来していて、大国様の奥様といわれており、大国様の像と一緒に並べて祀(まつ)るのが習わし。
赤いオッのコンボは、家内安全を祈って台所の神棚などに、白は美しさを祈って、黄は金運を祈って鏡台などの上に祀ります。胸の模様は太陽を表したものです。

毎年2月になると鹿児島の各地で初市が立ち、そこで新年の新しいオッのコンボをいただきます。家族の数に1つ加えた数を祀るのが習わしです。古いものは、かつては米と酒で清めて、川に流しました。
現在は神社の古い札納めに、様々な縁起物と同じように納められています。鮫島工芸社がオッのコンボを作り続ける唯一の工房となっています。
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