江戸時代のラブレターを模した、縁結びのお札
縁結びの神様として有名な京都の須賀神社では、節分祭になると「懸想文(けそうぶみ)」という特別なお守りが授与されます。「懸想文」とは現代でいうラブレターのこと。このラブレターを模した縁結びのお守りを、梅の木の枝につけて、烏帽子(えぼし)、水干(すいかん)姿に覆面をして売り歩くという習俗がありました。
懸想文は、人知れず鏡台やたんすの引き出しに入れておくとさらに容姿が美しくなり、着物も増え、良縁があると信じられ、京の町の女性に買い求められました。また、縁結びだけではなく、商売繁盛など人々の願いを叶えてくれるといわれる、なんともありがたいお守りです。
この習俗は明治維新以降なくなってしまいましたが、須賀神社ではこの文化を受け継ぎ、節分祭りになると水干姿の人がこの懸想文を授与してくれます。