観音様の化身である蟹の厄除けの護符
蟹(かに)が村の娘に恩返しする「蟹の恩返し」の伝説で知られる京都の蟹満寺(かにまんじ)。以前、こちらで人気の授与品である蟹の土鈴をご紹介しましたが、もう一つ「蟹の矢守り」と呼ばれる蟹に縁の深い授与品があります。蟹は太古より、その鋭いハサミで悪因を断ち切るといわれてきました。
また、円を描くような動作でものをつかむことから、良縁を持つとも信じられ、「霊力」を持っている生き物として扱われています。こうした蟹に対する古くからの敬意が蟹満寺の「蟹の恩返し伝説」へとつながり、開運と厄除けの霊力を持つ観音様の化身として、信仰を集めるようになりました。
この「蟹の矢守り」は、蟹の霊力を頼りに災難から守ってもらうことを祈念した厄除けの護符です。「家守り」とも呼ばれ、家内安全や除災招福を願う「家のお守り」でもあります。