世界最大のカニの厄除けの面
ハサミを広げると3mにもなる世界最大のカニであるタカアシガニ。静岡県沼津市の戸田(へだ)地区では、古くからタカアシガニは混獲されていましたが、「ミズガニ」と呼ばれ食用には適さず、廃棄されていました。しかし、50年ほど前に戸田で食用にする加工法が工夫され、以来、地区の特産品となっています。
また、この地域では古くから、このタカアシガニの甲羅を使った厄除けのお面が作られていました。始まった時期は諸説ありはっきりしないのですが、かつて疫病が流行った際に始まった風習なのではないか、といわれています。
タカアシガニの甲羅をきれいに水洗いし、そこに閻魔大王のような厳しい顔の絵を描き、玄関などに掛けられました。甲羅のトゲの感じも相まって非常に迫力ある表情となっており、しっかりと厄を追い払ってくれそうです。