広島唯一の手漉き和紙で作られる紙鯉
広島県と山口県の県境に流れる小瀬川沿いは、豊かな水を生かした和紙作りが盛んなエリアでした。現在は〈おおたけ手すき和紙の里〉が広島県内で唯一、この場所で手漉(てす)きの和紙を製作しています。その和紙を使い、江戸時代より400年以上にわたって作られているのがこちらの「ひろしま鯉のぼり」。子供の誕生を祝って贈られるこの鯉のぼりは、紙の裁断から色つけまですべて手作業で行われます。
材料の和紙も含めて、人の手の技術の結晶のような縁起物です。着色には古くからの染料を使うため、1色塗るたびに長い時間乾燥させてまた塗る、という工程を繰り返し、気候によっては仕上がりまで2週間ほどかかることもあるとか。耐水性はないので室内に飾ることが多く、サイズは部屋に飾りやすい90㎝から巨大な5mのものまで、様々に揃っています。