一年の災いや穢れを祓い清めてくれる長田さんの鬼
神戸では「長田さん」の愛称で親しまれている長田神社。こちらで行われる『古式追儺式(こしきついなしき)』は、県指定重要無形民俗文化財になっている歴史ある行事で、その起源ははっきりしていませんが、室町時代にはすでに現在の形で行われていた記録が残っています。
追儺というのは「おにやらい」という、災いをもたらす鬼を追い払い、一年の無病息災を願う行事ですが、長田神社の追儺式の鬼は、神々の使いとして登場し、神々に代わってすべての災いを払ってくれます。
7匹の鬼は、様々な災いを松明(たいまつ)の炎で焼き尽くし、襲いかかる凶事を太刀で切り捨て、その年の無病息災と家内安全を祈ります。参拝者は、この松明の灰をかぶることにより祓(はらえ)を受け、松明の燃え残りを家の入口に吊します。この7匹の鬼をあしらった絵馬も授与され、厄除けの授与品として愛されています。