湯沢で約400年続く、平和祈願の犬っこ
秋田県の湯沢地方には、約400年も続く『犬っこまつり』と呼ばれる民俗行事があります。毎年2月の中頃に行われるこのお祭りでは、雪で作られた大きなお堂の中に、お餅や甘酒とともに、しんこ細工と呼ばれる米粉で作った犬や鶴亀の人形を供えます。
その始まりは、かつてこの地方で暴れていた「白討」(はくとう)と呼ばれる盗賊を湯沢の殿様が退治したことでした。殿様は二度とこのような盗賊たちが現れないようにと、米粉で小さな犬や鶴亀の人形を作らせて、旧小正月の夜に各家の玄関先などに供え、家内安全や盗難除けを祈願させたのです。それが現在にも受け継がれています。そんなしんこ細工は、犬っこまつりでも販売されています。米粉製のものは、次第にひび割れてしまいますが、ディスプレイ用の樹脂粘土製のみやげ物も販売されています。